ブタンから無水マレイン酸を合成する触媒(VO)_2P_2O_7の機能と調整に関する研究
Project/Area Number |
63550599
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松浦 郁也 富山大学, 理学部, 教授 (20165757)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ブタンの酸化 / 無水マレイン酸の合成 / ブタン酸化触媒 / 無水マレイン酸合成用触媒 / ピロリン酸ジバナジル |
Research Abstract |
ブタンの直接酸化による無水マレイン酸の合成触媒として考えられてい るピロリン酸ジバナジル、(VO)_2P_2O_7にはαβγで示される3 つの構造異性体が存在すると考えられている。本研究では第一にこれら構造異性体の 調整を試み、これに成功した。α-体は85%H_3PO_4にV_2O_<5 >を加えNH_2OH・Hclの溶液によってV_2O_5の還元を行い(V O)(CHPO_4)0.5H_2Oを前駆体として調整これを脱水することに よって得られた。γ-体はα-VOP_4をアルコール類によって還元することに よって得られた。β-体はアルコール類をV_2O_5の還元剤として用い99 %H_3PO_4と混合することによって得られた。これら3つの(VO)_<2 >P_2O_7の構造異性体における微細構造の差違についてIRを用いて検討 した結果α-体は良い対称生をもって(P_2O_7)が(VO)_2に対し てトラニス型に配列しているのに対しβ-体は(P_2O_7)が(VO)_2に対してシス型に配列 し対称性が歪んでいることがわかった。γ-体はα-体とβ-体の混合物であった。 このようなα-体とβ-体の相異は結晶成長にいちじるしい違いを生じ、α-体で は(020)面にそって結晶が成長するのに対し、β-体では(200)面にそって 結晶が成長する。(VO)_2P_2O_7は酸素雰囲気中では酸化されてV OPO_4にまで酸化されるがα-体では、この酸化は(020)面より進行し、 (VO)_2P_2O_7とトポタクティックな関係にある(VO)_2( PO_4)_2(B´-相)に酸化されるのに対しβ-体では(200)面から の酸化が進行しβ-VOPO_4に酸化される。このような(VO)_2P_<2 >O_7の酸化機構の相異がブタニの無水マレイン酸への酸化に大きく影響しγ- 体における(020)面の酸化還元によるブタン酸化は選択的に無水マレイン酸を生 成するのに対しβ-体における(200)面の酸化還元はブタニを完全酸化にまで導 く事を明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)