Project/Area Number |
63550603
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小久見 善八 京都大学, 工学部, 助教授 (60110764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内本 喜晴 京都大学, 工学部, 助手 (50193909)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Keywords | イオン交換膜 / 選択透過性 / プラズマ / プラズマ重合 |
Research Abstract |
イオン交換膜はイオンの選択透過膜として高い機能を持っている。しかし、同種イオン間の選択透過性は低い。種々のカチオンの存在下でプロトンだけを選択的に透過させるイオン交換膜はレドックスフロー電池の隔膜などとしてその開発が待たれている。そこで、イオン交換膜の表面を処理してカチオン交換膜の表面にカチオン交換基を導入してプロトンだけを透過させるカチオン交換膜を作製する可能性を追究した。 1.ビニルピリジンをモノマーとしてRF電力によりプラズマを発生させてガラス基板上に重合を行った。基板上に生成した膜をFTーIR、ESCA、SEM、EPMAによって観察した。その結果、ピリジン環の部分的な開裂が見られたが、ピリジン環を含む架橋した重合膜が得られた。SEM観察によれば重合層はサブミクロンで均一で、ピンホールは認められなかった。 2.同様の膜を多孔性基板上に作製して濃度の異なるHCI溶液を用いて膜電位を測定した。その結果、膜電位が発生しており、作製したプラズマ重合膜にはアニオン交換能があることが判った。 3.プラズマ印可電力、ガス圧、ガス組成を変えてこれらのパラメーターの膜生成速度に及ぼす影響を詳細に検討した。生成速度のパラメーター依存性はCAP機構の考え方によって説明することができた。 4.上の結果をもとに、基板としてNafionを用いてプラズマ重合を行い、Nafion上にピリジル基を持つ薄層を形成させた。 5.Nafionに対する膜の密着性はプラズマ電力と圧力に大きく依存した。低電力では十分な密着性が得られなかった。 6.上記によって作製した膜のプロトンの輪率を塩化第一鉄の塩酸溶液中で測定した。その結果プラズマ重合処理を行った膜は未処理のNafionに比べて著しくプロトンの選択透過性が上昇した。
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