Project/Area Number |
63550605
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
艸林 成和 大阪大学, 工学部, 教授 (90028960)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 液晶 / スメクチックC相 / 液晶の分子構造 / フルオレノン環を含む液晶 |
Research Abstract |
表示用液晶材料として、その将来が最も期待されているのはカイラルスメクチックC相をもつ強誘電性液晶である。しかしスメクチックC相の発現と分子構造の関係がいまだ十分に明らかでないため材料設計の面で問題を残している。本研究は、スメクチックC相の発現と分子構造の関係についてフルオレノン環を含む液晶についてしらべだもので以下のような結果を得た。 1.2ー(2ーヒドロキシー4ーアルコキシベンジリデンアミノ)フルオレノン(化合物I)と2ーヒドロキシ基を含まない化合物(II)の二種の同族列を合成し、いずれもスメクチックC相を示すこと、ネマチック相やスメクチックA相については一般の液晶と類似の挙動を示すこと、化合物IのスメクチックC相の熱安定性はアルキル炭素数を増加させると炭素数13までは増加するがそれ以上では減少すること、化合物IIでは炭素数11以下ではスメクチックC相のみが現れ、13ではスメクチックA相のみ、12では両者が見られることを明らにした。 2.上記の各種化合物の二成分状態図の研究、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フルオレン、メチルカルバゾール等の環を含む化合物との液晶性の比較により、フルオレノン骨格はスメクチックC相の発現に重要な役割を果たしていること、フルオレノン骨格のカルボニル基がその原因となるものであり、しかもそれは骨格の嵩だかさではなく双極子モーメントが影響していることを結論とした。また、本系ではカルボニルに基づく双極子のほか、ヒドロキシル基やアルコキシル基による双極子もあるがこれらはカルボニル基によるものより小さい。ただ、これらは相互に影響を及ぼし合い熱安定性を高めていると思われる。
|