アモルファス遷移金属酸化物の高エネルギー密度リチウム二次電池正極への応用:五酸化バナジウムキセロゲル
Project/Area Number |
63550612
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岸 富也 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (50051412)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村主 欣久 慶応義塾大学, 理工学部, 助手 (20190928)
美浦 隆 慶応義塾大学, 理工学部, 専任講師 (50051917)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 含水五酸化バナジウム / 電気化学的リチウム挿入 / リチウム2次電池 |
Research Abstract |
1. 目 的 層状構造の含水五酸化バナジウム(キセロゲル、V_2O_5・nH_2O、以下VXG)がLi電池用正極材料として注目されている。本研究ではその放電(Li挿入)・充電(Li脱離)反応の可逆性と充放電に伴う構造変化を調べた。 2. 方 法 0.2mol・dm^<-3>NaVO_3水溶液を陽イオン交換後、約2週間重合させ、これをNi板上に乾燥してVXG薄膜(約6μm)試料電極とした。TGAによればnの値は1.9であった。1mol・dm^<-3>LiClO_4ー炭酸プロピレン(PC)溶液中で種々の電気化学的測定を行うとともに、VXG中のLi量や構造変化などを調べた。 3. 結果及び検討 (1)Li挿入・脱離の物質収支;定電流下で放電後のVXG中のLi量を調べた結果、1電子あたり1個のLi^+イオンが挿入されていることがx=(Li/V原子比)<0.36の範囲で確認できた。一方、0.2<x<0.4に相当する種々の電気量放電したのち等電気量充電した試料ではx=0.16に相当するLiが検出され、この分のLiは電気化学的に脱離不可能であることがわかった。 (2)放充電サイクル時の電位変化;定電流放電電位はおおまかに見ると1段のプラトーであったが、X=0.12および0.17付近にわずかな不連続的上昇が観測された。一方、充電電位はX=0.16付近から急上昇し、これ以上のLi脱離が起こらず他のアノード反応に移行したことを示した。 (3)放充電による層間距離の変化;X線回折の結果によれば、もともと1.17nmであった層間距離dは0.1<XのLi挿入で約1.05nmまで縮まり、X=0.16のLiが残存する充電状態でもこの値はほぼ同じであることがわかった。以上の結果、Li挿入の第1段陥でLi_<0.32>V_2O_5・n′H_2O(一般にn′≦nとなる可能性がある)の組成の新しい相が生成し、この相からのLi脱離は不可能であるが、この相へさらにLiを挿入し脱離することはできることが分かった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)