Project/Area Number |
63550636
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮野 壮太郎 東北大学, 工学部, 教授 (60005501)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 軸不斉ビナフチル / カルボニル化反応 / 不斉識別剤 / 遷移金属錯体触媒反応 / 軸不斉ビ-2-ナフトール / 軸不斉2'-メトキシ-1,1'-ビナフチル-2- カルボン酸 / トリフラート / ビナフチルカルボン酸 |
Research Abstract |
高性能不斉識別素子として有用な軸不斉1,1'-ビナフチル-2-カルボン酸類の新規合成法の開拓、およびそれらの不斉合成反応への応用を目的とし、研究計画に従って検討を行い、以下の成果を得た。 1.安価な2-ナフトールの酸化カップリングで容易に合成できるビ-2-ナフトヒルより、トリフルオロメタンスルホン酸やP-トルエンスルホン酸などのスルホン酸エステルを調整した。これらを種々の遷移金属錯体触媒の存在下で一酸化酸素と反応させ、アリール一酸素結合を切断してカルボニル化することを試みた。遷移金属、配位子、溶媒、スルホン酸の種類、反応温度、圧力などの反応条件を広範鋼板に検討し、合成化学的に有用な収率でビナフチルカルボン酸類が合成できることを見出した。 2.上記1のカルボニル化反応を2'-置換-2-ヒドロキシビナフチル類に適用し、同様にビナフチルカルボン酸が得られることを見出した。この反応では2'-位の置換基の効果が大きく、1,1'-ビナフチル-2-カルボン酸は殆ど定量的収率で合成できることが分かった。 3.上記1の反応を軸不斉2-ヒドロキシ-1,-1'-ビナフチル類へのトリフラートに適用したところ、全くラセミ化を伴わずにカルボニル化が可能であることが分かった。軸不斉ビ-2-ナフトールは現在最も調整の容易な軸不斉ビアリールであり、これより得られる2'-メトキシ-1,1'-ビナフチル-2-イルトリフラートを用いて、光学純度100%の2'-メトキシ-1,1'-ビナフチル-2-カボン酸を得た。本研究者らは既にこのカルボン酸がアルコールやアミンなどの光学異性体を核磁気共鳴スペクトルや高速液体クロマトグラフィーで識別するための不斉誘導化剤として優れた機能を有することを明らかにしている。本研究の成果によりこの軸不斉ビナフチルカルボン酸化の簡便な合成法が開拓されたことから、不斉識別剤としての用途が一層拡大するものと期待される。
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