モデルリングポリスチレンの合成・キャラクタリゼーションとその溶液及び固体物性
Project/Area Number |
63550661
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子物性
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
藤本 輝雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30023112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬 和則 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (00154633)
五十野 善信 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30135321)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | リングポリマー / アニオン重合 / エステル化による分子内環化 |
Research Abstract |
両末端にアルコール性水酸基とカルボキシル基を対で有する線状高分子の分子内エステル化による環化反応を用いた、リング状高分子の合成法を検討した。まず、後に水酸基を導入し得るアニオン重合開始剤前駆体として水酸基をトリアルキルシリル基で保護したクミルエーテル型化合物〔例えば、ア-(2-トリエチルシロキシ)エチルクミルメチルエーテル(EOCM)〕あるいはα-メチルスチレン誘導体〔例えば、p-(2-t-ブチルジメチルシロキシ)エチル-2-メチルスチレン(BOMS)〕等を合成した。これらはNa-Kアマルガムあるいはクミルカリウムなどを用いて金属化することができる。開始剤の安定性(つまり水酸基の保護効果)はt-ブチルジメチルシリル基が最も高く、トリエチルシリル基がそれに続き、トリメチルシリル基は安定性に欠けた。EOCMあるいはBOMSと種々の金属化試薬で調整した開始剤を用い、様々な条件下でα-メチルスチレンのアニオン重合を行った結果、本研究目的にはクミルカリウム/BOMSの系開始剤を用いた、THF中-78℃での重合が最適であるとの結論を得た。重合は二酸化炭素で停止させた。その結果、重合収率は100%で、設計分子量が実測した数平均分子量と一致し、重合物のGPCクロマトグラムは鋭い単一ピークを示した。更に、t-ブチルジメチルシリル基の脱離後も分子量分布に変化はなかった。従って、目的とする、分子量分布の狭い両端2官能線状高分子が得られたことは明らかである。次にトリフルオロメタンスルホン酸を触媒とし、シクロヘキサン希薄溶液中でこの線状高分子の分子内環化反応を行い、最終目的のリングポリマー生成を確認した。生成物中には末反応の線状高分子も含まれるが、この末反応物は大量分取型GPCを用いて完全に除くことができる。従って、新しい考え方による、高分子量モデルリングポリマー調整法を確立したと言える。
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Report
(1 results)
Research Products
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