鉄・アルミニウム水和酸化物によるアニオン型重金属の吸着
Project/Area Number |
63560061
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
土壌・肥料
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 正規 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00092479)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 吸着 / アニオン型重金属 / 鉄 / アルミニウム水和酸化物 |
Research Abstract |
土壌中には、鉄、アルミニウムが数%程度含まれていることが多く、その一部は、結晶の程度を異にする水和酸化物(あるいは酸化物)の形態で存在している。これらの水和酸化物は、土壌溶解液の水素イオン濃度(pH)によって、表面の荷電が著しく変化する変異荷電特性を示し、表面荷電0のpH値(PZC=0)が高いために、一般的な土壌のpH領域では正に帯電している。 結晶度の異なる鉄、アルミニウム水和酸化物を人工的に合成し、これらにモリブデン酸Mo(VI)、ヒ酸As(V)、亜セレン酸Se(IV)、クロム酸Cr(VI)および対照としてリン酸P(V)を異なるpH条件下で吸着させた。アニオン型重金属の吸着量は、結晶質のゲータイト、ギブサイトよりも非晶質鉄、アルミニウム水和酸化物の方が多かった。水和酸化物はアニオン重金属の吸着に選択性を示し、ギブサイトを除く水和酸化物では、As(V),Se(IV)>Mo(VI)>P(V)>Cr(VI)であり、ギブサイトではP(V)>Mo(VI)>As(V)>Se(IV),Cr(VI)であった。 pH5.5の0.1MNaclO_4溶液中での水和酸化物へのAs(V)、Se(IV)およびP(V)の吸着は、水和酸化物表面のOHあるいはOH_2との配位子交換反応で進行した。この反応で非晶質鉄、アルミニウム水和酸化物表面から放出されるOHの量はSe(IV)>As(V)>P(V)であり、pzcの高い非晶質アルミニウム水和酸化物の方が、pzcの低い非晶質鉄水和酸化物よりも少なかった。 アニオン型重金属とOHあるいはOH_2との交換反応が1:1で進行する(LUMSDON et al.,1984)とすれば、OHとOH_2交換反応の割合は、OH交換6〜36%、OH_2交換64〜94%で、OH_2交換反応が主体であった。 これらの結果から、土壌中におけるアニオン型重金属の行動をある程度推測することが可能になった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)