Project/Area Number |
63560174
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林産学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森田 光博 九州大学, 農学部, 助手 (30038301)
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Project Period (FY) |
1988 – 1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | シアノエチル化木材 / 化学的転換 / カルバモイルエチル化 / アミノエチル化 / アミノプロピル化 / アニオン交換能 |
Research Abstract |
シアノエチル化木材のニトリル基を化学的に転換することにより、アミノ基を有する木質系イオン交換体として利用するための基礎的検討を行った。その結果、以下の諸点が明らかとなった。 1.アミノエチル基への転換………シアノエチル基(CE基)をカルバモイルエチル基(CB基)に転換した後、これをホフマン反応によって、アミノエチル基に転換することについて検討した。CE化木材にアルカリ性過酸化水素を作用させることにより、CE基の90%程度がCB化され、アミド基量は約6mmol/gと、高い材料になる。この材料はその95%が水に溶解すると共に、原料木粉が含んでいたリグニン量の約2/3を残存していることも判った。本来、非水溶性である木材を基材に用い、そのほぼ全体を水溶性化した例はこれまでになく、また、高置換度のCB化物が得られる点も興味深い。 なお、木材中のCE基をCB基に転換するのに、ニトリルヒドラターゼ(Corynebacterium)菌体を用いて、酵素分解による方法も試みたが、CE基の20%程度がCB基に転換されるのみであった。今後、反応媒体等をさらに検討する必要のあることも判った。 一方、CB化木材に次亜塩素酸ナトリウムを作用させるホフマン反応により、CB基の60%がアミノエチル基に転換し、アミノ基含量3.13mmol/gのアニオン交換能を有する木質系水溶性材料になることが判った。 2.アミノプロピル基への転換………CE化木材にTHF・BH_4錯体を作用させることによって、CE基を直接、アミノプロピル基に還元することについて検討した。その結果、CE基の60%がアミノプロピル基に転換し、アミノ基量が3.8mmol/gという大きなアニオン交換能を有する水不溶性の材料となることが明らかとなった。今後、これらの材料の交換速度等、木質系イオン交換材料としての特徴について検討を行う。
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