鶏における嗅球の摂食調節メカニズムについての生体機構学的解明
Project/Area Number |
63560263
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
畜産学(含草地学)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
山内 高円 香川大学, 農学部, 助教授 (50111232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中広 義雄 香川大学, 農学部, 教授 (00035958)
一色 泰 香川大学, 農学部, 教授 (40035986)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Keywords | 嗅球除去 / 初生雛 / 甲状腺小胞上皮細胞 / 摂食量 / 電子顕微鏡 / 白色レグホーン |
Research Abstract |
本科学研究費補助金の研究課題は、初生雛から30日令までの鶏における嗅球を経時的に除去し、摂食量の増加する日令を調べ、嗅球-甲状腺系が何日令でも完成するかを検討することが研究目的であった。孵化後24時間以内に嗅球を除去した鶏とでは、摂食量の増加は全く認められなかったが、甲状腺の光学顕微鏡学的観察では小胞上皮細胞の形状に若干の変化が認められ単層扁平上皮細胞間に散在する立方上皮細胞の出現頻度が擬偽手術鶏よりも増加していた(日本家食学会誌 巻1988)。さらに、この様な甲状腺の電子顕微鏡学的観察ではよく発達したゴルジ野、多数のミトコンドリアおよびよく発達した粗面小胞体が認められ、逆に分泌界粒の減少やライソゾームの減少が観察された。この様な超微細構造の変化は、甲状腺小胞上皮細胞の機能亢進像を示すことから、初生雛の嗅球除去によって甲状腺機能が刺激されていたものと思われる。以上の結果から、嗅球-甲状腺系は鶏の孵化時にはすでに完成されているものと判断される(Britssh poultry Suience,1989、印刷中)。しかしながら、成鶏における嗅球除去によっても摂食量の増加がみられなかったことから白色レグホーン種では、嗅球-甲状腺系は摂食量を増加させるほどの内分泌機能の効力を持ち合わせていないものと思われる。最近、ブロイラーの鶏の摂食調節は消化管で調節されているのに対し、産卵鶏では視床下部による調節メカニズムの方がより重要な因子であるとの報告(Mc Corthy and Siegel,1983;Fisher,1984)が出されているので、肉用鶏の嗅球除去による摂食量の増加報告(Robinzon et al,1977)との違いは、実験に用いた品種差によるものではなかろうかと思われる、本研究において、摂取量の増加は認められなかったものの、飲水量の低下が初生雛および成鶏における嗅球除去によって観察された。現在この原因を究明するために視床下部・下垂体および腎臓の組織学的変化について検討しており、その結果を日本家食学会誌に投稿予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)