牛乳ペルオキシダーゼの細分化による機能変化とその応用
Project/Area Number |
63560272
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
畜産化学
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中村 信吾 弘前大学, 農学部, 教授 (50003570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 康雄 弘前大学, 農学部, 助教授 (90003433)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Keywords | ヘムの構造 / 酵素の細分化 / ラクトペルオキシダーゼ / キモトリプシンの利用 / ピリジンヘモクロモーゲン |
Research Abstract |
脱脂乳にアンバーライトCG-50を添加し、ラクトペルオキシダーゼ(LPO)を吸着させ洗浄、溶出後CM-52、とセファデックスG-100で精製した。この過程でMORRISON等の溶出条件のイオン強度を変えることより、硫安分画することもなく容易に精製LPOを得た。このLPOにタンパク分解酵素を作用させた。30℃、pH8.0トリス-塩酸緩衝液、Caイオンと尿素を共存下でLPOを細分化した。キモトリプシンの場合、尿素濃度の増加にともない細分化が進む。処理24時間の過程では、LPOの活性の減少は認められなかった。同様な操作をトリプシンを用いるとLPOは失活した。キモトリプシン処理後のLPOをゲルろ過、または限外ろ過で分離すると、ペルオキシダーゼ活性を持つ、分子量12,500と55,000に相当する画分が得られた。分子量12,500の画分の還元型ピリジンヘモクロモーゲン、還元型青酸複合体、一酸化炭素複合体のスペクトルは西洋わさびペルオキシダーゼやミオグロビン等のスペクトルに類似しており、LPOのヘムの構造はプロトヘムに類似しているものと考えられた。しかし、分子量55,000のスペクトルは未処理のそれと余り差はなかった。酸化型スペクトルは両者とも未処理のLPOとの差は認められなかった。収量は約20%である。プラスミンの場合は、24時間処理でも活性の減少は認められず、キモトリプシンの場合に比べ2倍以上の活性が残存する。緩衝液中の塩類の違いでも活性は影響された。活性測定に用いた基質の種類により時間の経過による活性変化のパターンが異なる。このことからLPOの第2基質(第1基質は過酸化水素)との反応部位は、基質の種類により異なることが示唆された。この分子量の異なる活性画分の活用は膜タンパク質へのヨー素ラベルにも応用できよう。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)