微小注入法による下垂体前葉再構築における細胞間相互作用機構の解明
Project/Area Number |
63570017
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
石川 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30089784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権 五徹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40170477)
野上 晴雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30119838)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 下垂体前葉 / 細胞間相互作用 / 小胞星細胞 / カルモジュリン / 細胞分化 / GHmRNA / PRLmRNA / 果粒線毛細胞 |
Research Abstract |
多細胞生物は1個の受精卵が分裂を繰り返し染色体に刻まれた遺伝子の設計図に従って分化し器官を形成することが知られています。この分化増殖には周囲の細胞との連絡が必要で、個々の細胞は周囲の細胞から受けとった情報によって遺伝子を制御して秩序と機能を保っていることが推定されます。下垂体前葉には少なくとも6種類の細胞が存在し、それらは別々のホルモンというマーカーを分泌するため、この細胞間相互作用を研究するうえに最適な材料(器官)であると言えます。細胞間相互作用の存在が示唆される研究に幼若ラット下垂体に一時的に出現する果粒線毛細胞の存在があります。この線毛の役割は未だ不明ですが周囲の情報を感知するセンサーとも考えられます(文献1)。次に胎生18日から生後10日の間に小胞星細胞(無果粒性細胞)から果粒細胞への分化が起こることを証明しました(文献2)。この分化には小胞腔から何らかの情報が働いた可能性が示唆されます。無果粒性細胞がホルモン産生細胞(果粒細胞)へと分化することを細胞の形態変化よりも早く知るために我々は感度のよいin situ hybridization法を開発しGHmRNAとPRLmRNAの同定を試みこれに成功しました(文献3)。次に培養下で直接的に細胞間相互作用を研究するためPRLを産生する細胞株を樹立し、細胞内調節因子として重要なカルモジュリンと細胞分化について研究しました。その結果カルモジュリンは細胞の分化、特に分泌果粒の形成放出に関与していることが推定されました(文献4)。我々は前に述べました小胞星細胞に特に注目して研究しております。牛をはじめとする各種動物の小胞星細胞を詳しく観察研究した結果、この細胞は個体が幼若時にはホルモン産生細胞の母細胞として、また個体の成熟後はホルモン産生細胞の機能を調節するいわばnursing cellの役割をするものと推察されました(文献、5、6)。現在、小胞星細胞内に注入した色素の移動を研究中。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)