Project/Area Number |
63570063
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurophysiology and muscle physiology
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
木村 実 自治医科大学, 医学部, 講師 (40118451)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 大脳基底核 / 被殼 / ドーパミン / グルタミン酸 / ムシモル / 運動 |
Research Abstract |
黒質緻密部に細胞体をもち長い軸索を線条体(被殼と尾状核)に投射して伝達物質であるドーパミンを放出する黒質線条体ドーパミン系の機能を調べることを目的として研究を行った。ドーパミンは線条体における大変重要な伝達物質であるが、主要な神経情報はグルタミン酸を伝達物質として大脳皮質から送られて来るので、ドーパミン系の遮断の他にグルタミン酸系の遮断、GABA agonistであるムシモルを用いてニューロン活動の非選択的遮断も行った。1.実験:日本ザルをモンキーチェアに座らせ光刺激の指示に従って肘関節の屈伸運動を行うようオペラント条件づけした。条件づけが完成した後、運動課題を行っているサルの被殼の単一ニューロン活動を記録し、そのニューロンが課題のどの側面と関連して活動するかを調べた。次に課題に関係するニューロンが多く記録された被殼の部位にムシモル、グルタミン酸拮抗薬であるキヌレン酸を注入して運動課題の遂行に与える影響を定量的に調べた。2.成績:被殼の中でも吻側部と尾側部にあるニューロンとでは活動の特性が異なり、尾側部ニューロンの多くは運動の遂行や感覚刺激と関係して活動した。一方吻側部(境界は前交連レベル)ニューロンは運動の待機をしている時や運動を予測して行う時に活動するものが多かった。尾側部被殼にムシモルを注入すると、標的に対して一回の運動で到達することができず、小刻みな運動を数回くり返すようになった。また一連の反復運動課題では運動のパターンが著しく乱れた。キヌレン酸の注入でも類似の効果であった。吻側部被殼にムシモルを注入すると運動に顕著な乱れは生じないが、予告などによって次に行うべき運動の待機を適切に行うことが困難となり、予告刺激に対して運動をおこしてしまうなどの誤りが多く現われた。この結果は大脳基底核が運動の待機やその発現に関与することを強く示唆する。現在ドーパミン系の遮断実験を開始するところである。
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