手指運動の習熟に伴う、体性感覚野の機能的および形態的変化
Project/Area Number |
63570067
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurophysiology and muscle physiology
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岩村 吉晃 東邦大学, 医学部, 教授 (20057508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美智雄 東邦大学, 医学部, 助手 (00057738)
平田 幸男 琉球大学, 医学部, 教授 (70073070)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 手指運動の習熟 / サル / 中心後回 / 皮質体性感覚野 / GABA receptor / ^3H-Muscimol / オートラヂオグラフ |
Research Abstract |
手指運動の習熟に伴って、サル皮質体性感覚野におこる形態的変化すなわちGABA receptorの分布密度の変化をしらべるため、ナイーブなサルで、まず対照実験を行った。雄ニホンザルの中心後回の頂部の10点に、表面に垂直に1.5mmの深さで、^3H-Muscimol(0.0005%水溶液)を各点に0.5μl(0.5μCi)に注入し、灌流固定、パラフィン包埋後、10μmの連続切片を作成、オートラヂオグラフ法で観察した。注入針の先端は殆どの場合皮質のIV層とV層の境界付近にあった。各注入例とも、この注入針の先端を中心の微細な現象銀顆粒が分布していたが、これらは広くニューロピル内に散在していた。注入から固定までの時間と、現象銀の分布ないし活性部位の広がりとの間には次のような対応が見られた。1)20分後:放射活性は注入点を含む、皮質表面の接線方向に直径1.07mm、高さ1.1mm程の紡錘形の分布域を示した。2)40分後:接線方向の活性の広がりは直径2.42mmにも拡大し、分布域の形は紡錘形から樽型に変化し、注入部位直下の白質中にも1mm程の深さまで活性が出現した。3)60分後:活性は直径2.75mmの円盤状の広がりを示した。陽性銀粒子はほぼ一様に分布し活性域の境界はやや曖昧となった。4)80分後:活性域は直径4.05mmに拡大したが活性度は全般的に低下した。III、IV、V層に活性は高いが、I、II層は注入部位を除いて低かった。5)100後:活性域は直径約6.5mmとなり中心後回の頂部のほぼ吻尾全長に広がった。別の雌ニホンザルの中心後回にも計9個所の注入を行い結果を確かめた。次に充分訓練して熟練したサルでは、感覚野ニューロンの受容野が小さいものが多いことがわかった。このサルについても^3H-Muscimolの注入を行い、対照例と比較するべく組織標本を作成中である。また、このサルならびにもう一例の対照例について、エポン樹脂に包埋後2μmの薄切片をも作成し、銀粒子の存在部位をより詳細に追求する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)