アミノ配糖体抗生物質の副腎皮質細胞Ca^<2+>動態に対する影響
Project/Area Number |
63570098
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
川村 将弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30056915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩城 隆昌 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60167278)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | カルシウム / 副腎皮質細胞 / ステロイドホルモン / ネオマイシン |
Research Abstract |
(目的)アミノ配糖体抗生物質、特にネオマイシン(Neo)は種々細胞においてイノシトールリン脂質(PI)代謝回転を阻害し、細胞内Ca^<2+>動態に影響を与えると報告されている。我々は初代培養ウシ副腎皮質細胞のステロイドホルモン産出(SG)調節機構をPI代謝が関与しているか否かNeoを用いて実験中、NeoがSG産出促進作用を持つ事が判明したのでその機序を検討した。(結果)1.初代培養ウシ副腎皮質細胞の場合:(1).Neoは濃度依存的にSGを促進した(ED_<50>=0.5mM)。他のアミノ配糖体抗生物質はSGに対して何等影響を与えなかった。(2).NeoのSG促進作用は完全に細胞外Ca^<2+>濃度に依存的であった。(3).Neoの作用は電位作動性カルシウム チャネル(VOC)阻害薬のベラパミル、PY108ー068により阻害された。(4).細胞外にCa^<2+>が存在している時、Neoは細胞内に取り込ませた蛍光性細胞内Ca^<2+>指示薬、Fura2の蛍光強度を増加した。これは細胞内Ca^<2+>濃度が上昇した事を示す。(5).アセチルコリン(Ach)はウシ副腎皮質細胞において、PI代謝回転を賦活し細胞内Ca^<2+>濃度を上昇しSGを促進するが、NeoはAchのSG促進作用を抑制しなかった。これはNeoが細胞膜レベルで作用している事を示す。2.ラット副腎皮質細胞の場合、Neoその他のアミノ配糖体抗生物質はいずれもSG促進作用を示さなかった。(考察)Neoのウシ副腎皮質細胞SG促進作用は、細胞内Ca^<2+>動態に影響を与える事により発現すると考えられる。ウシ副腎皮質細胞にはVOCが存在し、ラットの細胞には存在しない事を示唆する結果を我々は得ているので、Neoがラットではなくウシの場合にのみSG促進的に作用し、その作用がVOC阻害薬で抑制された結果から、Neoは細胞膜と相互作用しVOCを開口する事により細胞内へのCa^<2+>流入を促進し、細胞内Ca^<2+>濃度を高めSGを促進すると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)