酸化的ストレスに対する細胞の防御機構--マクロファージにおけるシスチン輸送の関与。
Project/Area Number |
63570108
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂内 四郎 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (70019579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 哲郎 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (20111370)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | マクロファージ / ストレス / グルタチオン / シスチン / アミノ酸輸送 |
Research Abstract |
グルタチオンはストレスに対する細胞の防御機構に重要な位置を占める。マウス腹腔のマクロファージを取り出し、種々のストレスを与えた時の代謝変化を、グルタチオンを中心に調べた。先ず、マクロファージに過酸化水素産生系を負荷し、酸化的ストレスを与えたところ、細胞のグルタチオンレベルは、予期に反し低下せず、逆に、時間と共に増加し、対照のおよそ二倍になった。一般に、細胞のグルタチオンレベルは前駆体システインの供給量に依存し、そのシスティンのソースは、主に細胞外のシスチンである。そこで、細胞のシスチン取り込み治性(輸送治性)を調べると、酸化的ストレスにより約二倍に上昇していることが分かった。この上昇には、たんぱく合成を要するので、酸化的ストレスによって輸送活性が誘導されたものと考えられた。すなわち、マクロファージは酸化的ストレスにさらされると、シスチン輸送担体の合成を活発にし、それにより細胞外のシスチンを多く取りこんでグルタチオンをより多く合成し、自らを防御することが推定された。さらに、これら一連の現象は、マクロファージに亜ヒ酸、カドミウム、親電子薬物などを与えることにより傷害性ストレスを加えた場合にも観察された。このことはシスチン輸送担体が細胞防御機構に広く関与していることを意味する。次に、このようなストレス負荷のとき、どのような種類のたんぱくの合成がさかんになるか、ゲル電気泳動で調べた。その結果、分子量34Kのたんぱくが、特に強く誘導されていた。培養細胞などで、この付近のたんぱくがヘムオキシゲナーゼらしいとの報告が、極く最近なされたので、抗体を用いたイムノブロット法で調べたところ、34Kたんぱくとヘムオキシゲナーゼの同一性が証明された。亜ヒ酸などのストレス下では、34Kたんぱくはマクロファージの全たんぱく中で、最も合成のさかんなたんぱくとなるが、シスチン輸送体との関連は今後の課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)