細胞内情報伝達におけるチロシンキナーゼとセリン・スレオニンキナーゼに関する研究
Project/Area Number |
63570111
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
|
Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
山村 博平 福井医科大学, 医学部, 教授 (90030882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 庸一郎 福井医科大学, 医学部, 助手 (00187030)
中村 俊一 福井医科大学, 医学部, 助手 (40155833)
箸本 英吉 福井医科大学, 医学部, 助教授 (20116239)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | チロシンキナーゼ / セリン・スレオニンキナーゼ / セリンキナーゼ / 細胞内情報伝達 / ポリアミン / Cキナーゼ |
Research Abstract |
私共は複雑な細胞内情報伝達機構をチロシンキナーゼとセリン・スレオニンキナーゼの作用を中心に研究を続けている。今年度は、私共は細胞質に存在するチロシンキナーゼについて、牛血小板より単一に精製することに成功した。その分子量は71,000であり、従来より報告されている細胞膜に存在するチロシンキナーゼとは異なる酵素化学的性質を持っている。またインスリンやEGF、PDGF等の増殖因子によっては、直接活性化されない。一方細胞質において強い活性を示す脾臓より本酵素を精製した。脾臓の酵素はポリリジンやスペルミン等のポリアミンによって著しく活性が変動する。またヘパリン等の酸性ムコ多糖によって活性は阻害される。ポリリジン等ポリアミンによる活性の変動は基質によって異なり、ホスホリラーゼやアルブミンを基質にすると活性は促進し、チュブリンやヒストンH_2Bでは阻害する。従って本酵素に対するポリアミンの作用は酵素よりもむしろ基質側に作用している可能性が強い。脾臓の酵素を単一までに精製したところ、分子量は約40,000であり、血小板の酵素とは大きな差がある。現在この酵素のクローニングを行っており遺伝子が明らかとなれば、ホルモン受容体に存在するチロシンキナーゼと明確な差異が明らかとなると思われる。一方インスリンによって活性化されるセリンキナーゼをアフリカツメガエルの卵母細胞において見い出した。このセリンキナーゼは従来から報告されていない新しいタイプの酵素であり、酵素化学的諸性質並びにチロシンキナーゼとの関係を明らかにしたい。また細胞のアルカリ化(恐らくNa^+の流入と関係して)に伴ってCキナーゼが細胞膜のプロテアーゼによって切断され活性化されることから、この活性化されたCキナーゼがそのメッセンジャーになり情報伝達を行っている可能性も考えられる。これらの複雑なプロテインキナーゼの動きを中心に細胞内情報伝達機構を明らかにしたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)