低濃度環境汚染物質曝露の行動奇形学的影響に関する研究
Project/Area Number |
63570232
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 洋 北海道大学, 医学部, 助教授 (40125571)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | メチル水銀 / セレン化合物 / 発現影響への修飾 / 行動奇形 / 電撃回避学習 / マウス / 出生後の行動 |
Research Abstract |
重金属や難分解性の有機化合物は長期にわたって環境中に残存し、我々は低濃度ではあるがこれらの物質に曝露され続けている。これらの曝露は職業による曝露とは様式が異なり、発現影響も典型的な中毒症状とは異なる。低濃度では曝露の条件によって、発現する影響が修飾される。これらの条件としては、(1)曝露濃度・曝露期間等曝露そのものにかかわる条件、(2)当該物質以外の物質による修飾、(3)性・年齢や栄養・健康状態等、曝露される個体側の条件、等である。本研究は、中枢神経系毒性の高いメチル水銀の発達初期における影響の発現とセレン化合物の修飾作用に着目した行動奇形の実験である。妊娠マウスを極めてセレン含有率の低い飼料で飼育し、亜セレン酸を種々の濃度で溶解した飲料水を与えた。出生した仔が3ケ月齢になった時点で、電撃回避(Shock Avoidance)を課題として学習の成立と保持・消去を検討した。セッション施行日毎に反応を見ると、警告期間中にレバーを押して回避した回数(Avoidance)が増加し、消去の期間には低下した。電撃を受けてから反応する逃避(Escape)は減少し、消去の期間に入ると急激に低下し、そのままの水準で経過した。回避も逃避も出来ずに電撃を受け続けていたトライアルの回数(Fail)は、初め回数が多かったが、次第に群れによってはFailが0であるセッションも見られ、消去期間では急激に減少した。学習行動を指標としてメチル水銀の毒性発現におよぼすセレンの修飾効果に関する研究は、本研究が最初である。本報告においては、各群の平均値だけで検討したが、学習の極めて初期にセレン欠乏状態で飼育した群での、。FAILが多く、セッションの進行する中でFailが全くなくなることもなかった等セレンの修飾作用が示唆された。しかし、学習成績と飲料水中の亜セレン酸濃度との間にDOSEDEPENDENTな関係は見いだせなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)