発育期、成熟後における各種脂肪酸の役割と適正摂取比に関する研究
Project/Area Number |
63570244
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大本 美彌子 東邦大学, 医学部, 助教授 (20057491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 温 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10105877)
関 久美子 東邦大学, 医学部, 助手 (30171325)
今井 常彦 東邦大学, 医学部, 助手 (90104215)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 脂肪酸の適正摂取比 / 臍帯血中脂肪酸 / 初乳中脂肪酸 / 胎盤中脂肪酸 / 脳中脂肪酸 / 肝中脂肪酸 / 脂肪酸構成の性差 / 高度不飽和脂肪酸合成能 / 生涯栄養としての脂肪酸 |
Research Abstract |
生涯の健康保持・増進を目的とした場合、栄養素摂取は各年齢段階その時点における必要性のみではなく、各年齢段階は連続したライフサイクル上の一経過点であり長い生涯への影響をも十分に考慮される必要がある。必要栄養素のうち脂肪に関しては、これまでの対応は極めて大まかであった。構成脂質および脂質構成脂肪酸の生理学的意義に関する生理学的・疫学的研究成果が挙げられ、健常な高齢期を目指す必要性から、発育期、成長後における脂肪酸の適正摂取比を検討すべきと考え、本課題研究に着手した。(1)ヒト臍帯血、初乳、成乳中の脂肪酸(以下FA)含有量、(2)各種脂肪酸投与ラット母獣とその胎仔の血中、脳、肝中のFA量、(3)生後1ケ月齢ラットにおける各種FA投与後のFA構成変化、(4)離乳期より生後3ケ月齢時まで各種FA投与ラットの発育状態、脂質指標、FA組成の変化等に関する観察から以下の示唆が得られた。(a)DHA、AAは生体の発育に必要なFAであり、胎生期、胎内では母体から供給され(胎盤を通過)、BBBも通過する。(b)出生直後では高度不飽和FAへの転換能は低く、ラットでは1ケ月齢(離乳期)、(ヒトでは文献的には生後15日齢でも)AA合成能は極めて低い。(c)しかしながら母乳中にはAA(EPAも)、DHAの含有量は極めて低い。母乳中のLinolやLinolen酸からAAやEPA・DHAが児体内で合成されていることが示されている。(d)ラット胎仔の脳中DHAは母獣へのLinolen酸投与で母獣脳中より極めて多量が観察され、発育期の脳におけるDHAの存在意義は極めて大である。(e)ω3、ω6摂取比は5:1、5:5では発育、血中構成、組織所見に差は見られない。(f)w3、w6単独投与ではw3投与群の発育が良い傾向。(g)高度不飽和脂肪酸の吸収または合成能に性差が有意。(h)高度不飽和FA投与群は低度FA投与群より脂質諸指標値が大でPLO値も高い。長期(1.5年、2年間)の影響観察は引き続き実施中。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)