Project/Area Number |
63570269
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡嶋 道夫 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00014035)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 皮膚紋理 / ラット / 近交系 / 遺伝 / 染色体異常 / 奇形 / 発生 |
Research Abstract |
皮膚紋理は解剖学・発生学・人類学・人類遺伝学・先天異常の領域で興味を持たれている形質であるが、今までは適当なモデル動物がなかった。筆者は1985年にラットに皮膚紋理の存在することを世界で最初に発表し、その近交系には系統特有の紋理が現れることを確認し、皮膚紋理の実験系を確立することに成功したが、今年度は以下の研究成果を得た。 1.ガンマ線照射による異常染色体ラット(11番とY染色体の均衡型相互転座)を交配し、11種類、80頭の異常核型を有する個体を作成したが、皮膚紋理に特異所見は見られなかった。最初に皮膚紋理異常が発見された核型は偶然にできたもので、今回は再現されなかった。これにより皮膚紋理異常が稀なものであることが判明した。 2.筆者は染色体異常とは全く異なる成因、すなわち出生直後の低湿度によってラットでは皮膚紋理に発育障害が生ずることを見出した。今回は組織標本並びに走査電顕により瘢痕の所見を明らかにした。 3.異る紋理を有する近交系ラットを交配し、雑種第1代、第2代、バッククロスを約200頭作成したが、前回の実験と同様の傾向が見られ、かなり少ない座位の遺伝子に支配されていることが推測されるに至った。同様の実験を別の近交系の交配でも試みつつある。 4.紋理形成のメカニズムを探るため、渦状紋、三叉紋、櫛状紋を有する3種類の近交系(NIG、ACI、SDJ)、及びこれらの間の雑種第1代の胎児(胎生19、20、21日)について掌側のパッドの形態と紋理の関係を調べたところ、両者の間に極めて規則的な関連のあることが明らかになり、従来ヒトとサルから推測されていた仮説が、今回のラットの研究により初めて実証された。
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