Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持田 智 東京大学, 医学部(病), 医員 (20219968)
大野 明彦 東京大学, 医学部(病), 医員
山田 真和 東京大学, 医学部(病), 医員 (60143426)
佐藤 譲 東京大学, 医学部, 医員 (00158940)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
In vitro実験から推定されている肝線維化過程におけるマクロファ-ジのコラゲン合成調節作用を,in vivoで証明するため各種実験を行い,以下の成績が得られた。 1.Nitro blue tetrasolium及びphorbol myristate acetateを用い肝潅流により,肝マクロファ-ジの機能を活性酸素産生能を指標にin situで,その活性段階まで含めて評価する方法を開発した。 2.この方法により,各種実験線維肝ラットでは線維増生部の肝マクロファ-ジの活性酸素産生能が亢進していることが判明した。 3.Dinethylnitrosamine急性障害肝ラットにC.parvum加熱死菌を投与し肝マクロファ-ジ機能を活性化すると,肝線維化が促進された。一方,アラビアゴム投与によりマクロファ-ジ機能を抑えると,肝線維化は抑制された。 4.肝では実質細胞のみが尿素回路を有することを利用して,オルニチンとアルギニンの二重標識により肝コラゲン産生における肝実質細胞の関与を検討したところ,正常肝,線維肝ともに90%以上が非実質細胞由来であることが判明した。 5.肝から分離した伊東細胞を継代培養して得られた線維芽細胞を,Dimethylnitrosamine障害肝由来のマクロファ-ジと共培養すると,コラゲン合成は促進した。しかし,アラビアゴム前投与により肝マクロファ-ジ機能を抑制しておくと合成が低下した。 以上の成績より,肝マクロファ-ジがin vivoの肝線維化過程で重要な役割を果たしていると結論される。
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