Project/Area Number |
63570325
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
川崎 寛中 鳥取大学, 医学部第2内科, 助教授 (10038705)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / 血清胆汁酸 / 胆汁酸負荷試験 / ウルソデオキシコール酸 / D-ペニシラミン / 肝機能検査 |
Research Abstract |
原発性胆汁性肝硬変(PBC)の胆汁酸代謝を経口胆汁酸負荷試験から検討するとともに、PBCに対するウルソデオキシコール酸(UDCA)およびD-ペニシラミンによる治療効果を検討した。 1.正常者10例および無症候性PBC例にUDCA500mgを経口投与して、以後30分間隔で120分までの血清胆汁酸を酵素法で測定した。正常者の空腹時血清胆汁酸は6±1(平均±SE)μMで、UDCA負荷後30分、60分、90分、120分値はそれぞれ18±2、15±1、11±1、9±1μMであった。PBC4例におけるUDCA負荷試験は、投与前6±2μM、30分27±3μM(PC0.05)、60分25±5μM(PC0.05)、90分21±6μM(PC0.05)、120分19±9μMであり、異常率を検討すると、投与前0%、30分25%、60分50%、90分50%、120分25%であった。すなわち、PBC出は無症候期に既に胆汁酸代謝異常が存在し、UDCA負荷試験はPBCの胆汁酸代謝異常の検出に有用なことが示唆された。 2.PBC6例に対してUDCA300〜600mgおよびD-ペニシラミン300〜400mgを投与して、自覚症状と肝機能検査の推移を観察した。患者は全例女性で、stage別ではstageI、2例、stageII、1例、stageIII、2例、stageIV、1例であった。PBCに対してUDCAを投与すると、自覚症状では〓痒の消失または低下がみられ、肝機能検査ではアルカリフォスファーゼとγ-GTPの低下が著明であった。D-ペニシラミン単独で無効な2症例に対してUDCAを併用すると、自覚症状と肝機能検査の改善がみられた。血清胆汁酸およびその分画をUDCA投与後10〜28週で検討すると、血清胆汁酸は投与前の平均19μMから5μMに減少し、胆汁酸分画ではケノデオキシコール酸とコール酸の著しい低下がみられUDCAは著増した。すなわち、UDCA投与により肝毒性の強い胆汁酸が減少し、肝細胞膜障害が軽減されるものと考えられた。
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