Project/Area Number |
63570419
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
上田 清悟 東京都老人総合研究所, 生物学部, 研究員 (00160169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒尾 誠 東京都老人総合研究所, 研修員
松下 哲 東京都老人総合研究所, 研究員
蔵本 築 東京都老人総合研究所, 研究員
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / サイクリックAMPI形態変化 / イオン輸送 |
Research Abstract |
血管内皮細胞は、様々な血管作動性物質即ち血小板由来成長因子(PDGF)内皮細胞由来血管拡張因子(EDRF)、PGI_2などを産生する代謝の活発な細胞で静的である。内皮細胞の障害は従って動脈硬化発症の引き金となることが明らかにされている。最近我々は、CAMPが血管内皮細胞の収縮を引き起し、この機序としてCl^-イオン輸送が特異的に収縮を制御することを明らかにした。牛肺動脈より酵素法にて無菌的に内皮細胞を遊離し、RPMIメディウム中で培養した。内皮細胞の同定は、抗angiotension変換酵素抗体、LDLの取り込みより確認した。内皮細胞の細胞骨格を抗アクチン抗体、抗チューブリン抗体を用い螢光抗体法によりこれらの動態を解析した。イオン輸送は、放射性トレーサー、^<45>Caを用い、細胞レベルどの動態を測定した。Hepesバソファー中で10^<-9>Mより9soproterenol添加で内皮細胞の収縮をみとめ、数十分で完成した。細胞質は、中心核の方に退縮し、放射状に直線状の細胞質突起を形成した。メディウムより180proterenolを除くと、直ちにもとの形態に復した。9sopraterenolに対し、用量依存的に収縮が強くなり、10^<-5>Mで最大を示し、また細胞内CAMPは、これと平行した細胞骨格ストレスファイバーは、細胞収縮とともに中心核の方に移動し直線状の結核へと変化し、これらの変化は、細胞骨格の再構成に伴う機序からなることを示した。細胞収縮は、^<45>Caの動態によると、Ca流入の変化はみとめられず、細胞内Ca^<2+>とは無関係であり、又、メディウム中のNaにも依存しなかった。しかし、外液メディウムのCl^-を除くと収縮は、全くみとめられず、内皮細胞の収縮は、Clイオン輸送により制御されていることを明らかにした。血管内皮細胞は、このように動的細胞であり、CAMPにより細胞骨格の変化を伴うことから、内皮細胞の機能、即ち血管透過性、血管作動性因子の産生などにかかわる重要な制御機構であることが示唆される。
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