新生児壊死性腸炎:エンテロトキシン、活性酸素の関わり
Project/Area Number |
63570463
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
倉辻 忠俊 国立小児病院, 小児医療研究センター・共同利用室, 室長 (60051728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 正 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (70129378)
綱脇 祥子 国立小児病院, 小児医療研究センター・共同利用室, 研究員 (00211384)
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Project Period (FY) |
1988 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1989: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 新生児 / 壊死性腸炎 / 細胞接着 / 好中球 / 活性酸素 / 過酸化脂質 / エンテロトキシン / クロストリジウム / 未熟児 / 低酸素 / 仮死 / スーパーオキシド・ジスムターゼ |
Research Abstract |
新生児壊死性腸炎の患者より分離されたクロストリジウム・ディフィシ-ルを培養し、その上清を、CHO細胞の細胞傷害性を指標に分画し、エンテロトキシン(LT)とした。このLTは好中球の膜接着蛋白レセプタ-や腸管上皮細胞の接着蛋白リガンドの発現を増強し、好中球活性酸素生成増強作用、さらに腸管上皮細胞への細胞傷害作用があることが昨年度までの研究の結果判明していた。そこで好中球と腸管上皮細胞の相互作用をフリ-ラジカルスカベンジャ-存在のもとで調べ、新生児壊死性陽炎の治療・予防の可能性を検討した。腸管上皮細胞ATCCーCCL6(小腸)、ATCCーCRL1541(結腸)はFlow Labo.より購入した。好中球は健康成人ボランティアから得た。種々の薬剤はシグマ社、エ-ザイから購入した。O^ー_2はcytochrome c還元法、H_2 O_2は2'7'ーdichlorofluorescein diacetateの酸化によるフロ-サイトメトリ-法、過酸化脂質はチオバルビツ-ル酸法、細胞傷害性を[ ^<14>C]ーアミノ酸混合の取り込み法で測定した。 MnーSOD,Cu,ZnーSODはカタラ-ゼ存在下でLTの腸管上皮細胞のアミノ酸取り込み抑制を50〜80%阻止した。さらにこれらの組合せは腸管上皮細胞膜の過酸化脂質の蓄積作用を20〜60%抑制したが、単独では5〜30%のみの抑制であった。顆粒球コロニ-刺激因子(GーCSF)をこれに加えるとSOD,カタラ-ゼの抑制作用は減弱した。マニト-ル、窒化ナトリウム、αトコフェロ-ルは殆どこれらの作用を認めなかった。 以上から、患者から分離したクロストリジウム由来LTは好中球を活性化してO^ー_2、H_2 O_2、HOClなどを通し、腸管上皮細胞を傷害する。SODとカタラ-ゼの併用は有効だが、αトコフェロ-ルは有効でなかった。これらは更にin vivoで確認する必要があり、マウスで実験中である。
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Report
(3 results)
Research Products
(21 results)