Project/Area Number |
63570485
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 高弘 (山口 高広) 東北大学, 農学部, 助手 (20111297)
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Project Period (FY) |
1988 – 1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 放射線 / 癌-エフェクタ-細胞 / マクロファ-ジ / 殺腫瘍細胞活性の亢進 / 癌-エフェクター細胞 / 殺腫瘍作用 / 抗腫瘍効果 |
Research Abstract |
本研究では、腫瘍細胞を殺傷するエフェクタ-細胞(キラ-細胞、K細胞、NK細胞、マクロファ-ジ)が放射線照射によって、殺腫瘍細胞活性が影響されるか否か究明された。マクロファ-ジとNK細胞に関しては、当初の目的どうり研究遂行がなされ、特に、マクロファ-ジについては満足する結果が得られ、数多くの新知見が得られた。しかしながら、キラ-T細胞およびK細胞に関し、細胞の調整、同定等の実験的困難さと、十分な細胞数を得る難しさなどより、研究を変更せざるをえなかった。研究はWHT/Ht,C57BL/6マウス実験系で行われ、次の様な結果が得られた。(1)マクロファ-ジの殺腫瘍細胞作用は放射線照射によって影響を受けた。0.3-3.0Gy照射では殺腫瘍細胞活性が亢進(0.3Gyで特に著しい)し、10.0Gy以上照射ではむしろ低下した。このマクロファ-ジの殺腫瘍細胞活性はマクロファ-ジが腫瘍細胞と24-48時間接触する事が必要であった。この活性は同系、異系のマウスの腫瘍細胞にたいしても出現した。(2)放射線照射によって亢進するマクロファ-ジの殺腫瘍細胞活性はin vitroでの腫瘍細胞の^3H-サイミヂン取込み抑制法、コロニ-形成法in vivo でのTD_<50>法、Winn assayと広範な測定法で確認された。(3)マクロファ-ジの殺腫瘍細胞作用をもたらす放射線線量の照射(0.3Gy)によってマクロファ-ジの食作用の亢進とRespiratory burstに伴う活性化酸素産生抑制が認められた。(4)0.3Gyの放射線照射によって、マクスファ-ジのTCA分画の^<3H>-ロイシン取込みが増加した。このことは低線量照射によりマクロファ-ジの蛋白合成が亢進する事を示す。(5)固型腫瘍の放射線照射により腫瘍内マクロファ-ジの数、分布は大きな影響を受けなかった。しかし、0.3Gy照射により、マクロファ-ジの殺腫瘍細胞活性が亢進した。以上の一連の結果より、低線量照射によるマクロファ-ジが活性化される事が証明され、放射線照射-マクロファ-ジの殺腫瘍細胞作用-抗腫瘍効果の可能性が強く示唆された。
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