Project/Area Number |
63570549
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三木 伸泰 東京女子医科大学, 第2内科学, 講師 (40157467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 昌美 東京女子医科大学, 第2内科学, 助手 (90152537)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 成長ホルモン / 成長ホルモン放出因子 / GRF / ソマトスタチン / GRF抑制因子 / 視床下部 |
Research Abstract |
我々は昭和63年度の科研費補助金により大きな研究成果をあげることができた。そして、世界で初めて提唱した「GRF抑制因子」ソマトスタチン(SRIF)仮説を、さらに発展させる一連の研究成績を得た。まず、SRIFの選択的枯渇剤Cysteamineが、in vitroとin vivoの両条件下でSRIFを減少させるとともに、GRFの分泌を強力に促進することを見出した。このうち、視床下部GRFを直接測定したin vitroの成績は、 「GRF抑制因子」 SRIF仮説を強く支持する有意義な所見である。また、in vivoのより生理的条件下でも抗GRF血清の受動免疫法を用い、CysteamineがGRFの放出を刺激することを確認した。Cysteamineを用いた視床下部のin vitroの実験系は、GRFとSRIFの直接相互作用を観察できる有力な研究手段であり、今後多方面の研究への応用が可能と思われる。一方我々はSRIFを慢性に枯渇させるとGRFの放出が反対に低下することも見出した。すなわち、視床下部前方切断術、抗SRIF血清脳室内頻回投与によって、それぞれin vitro、in vivoにおけるGRF分泌が減少した。この成績は、一見すると「GRF抑制因子」SRIF仮説と矛盾するように見えるが、我々はSRIF減少の急性、慢性効果の差によると解釈している。すなわち、SRIFの減少により急性にはGRF放出が促進され、この増加により慢性にはGRF分泌が低下すると推測される。また我々は、in vitroの実験で合成GRFがSRIF分泌を刺激するという成績を追試・確認した。 以上の我々の実験成績は、本来成長ホルモン(GH)分泌抑制因子として単離・同定されたSRIFが、視床下部レベルではその対立因子であるGRFの「抑制因子」としても作用することを物語る。このように、視床下部におけるSRIF、GRFの分泌統合機構の研究は、神経内分泌学の新局面への発展に寄与する所が大きいと思われる。
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