造血障害におけるコラゲナーゼインヒビターの病態生理学的意義
Project/Area Number |
63570569
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀田 知光 名古屋大学, 医学部, 助手 (70173606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 英雄 国立療養所中部病院, 副院長
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 造血基質物質 / コラゲナーゼインヒビター / 造血支持細胞 / 造血障害 / コラーゲン |
Research Abstract |
人コラゲナーゼインヒビタ(CI)と交叉反応する抗体CIモノクロナル抗体を用いてELISA法による血漿CI測定法を開発するとともに免疫細胞化学染色法により骨髄細胞におけるCIの局在を検討した。〔方法〕正常人ならびに血液疾患患者血漿CIレベルを測定した。CIの免疫細胞化学染色はPAP法を用い、骨髄塗末標本による方法を確立した。〔成績〕正常成人男女各15名の血中CIレベル(平均±1SD,単位ng/ml)は男血清CO215.5±51.5、男血漿CI100.5±18.0、女血清CI194.6±56.3、女血漿93.3±24.1であった。血液疾患患者の血漿CIレベル(平均、ng/ml)は再生不良性貧血107.2(6例)、MDS115.2(4例)、PNH163.9(4例)、眞性赤血球増加症93.4(6例)、持発性血小板増多症166.4(3例)、原発性骨髄線維症489.7(4例)、自己免疫性溶血性貧血95.0(3例)、鉄欠乏性貧血51.0(6例)、ITP87.9(7例)であり、PNH、ETでは有意に高値を、鉄欠乏性貧血、ITPでは低値を示した。血漿CI値と血清CI値の隔差の著しいのはPV、ET、鉄欠乏性貧血であった。骨髄細胞のうちCIの免疫化学染色陽性のものは成熟好中球、単球、巨核球、線維芽細胞、内皮細胞であり、赤芽球、リンパ球、形質細胞は陰性であった。〔考按〕ELISA法による血漿、血清CIレベルの正確な測定法を確立し、正常値および血液疾患における変動を報告した。骨髄増殖性疾患では高値を示し、鉄欠乏性貧血では低値をとる傾向を認めた。好中球、巨核球、血小板、繊維芽細胞、単球、マクロファージにおけるCIの局在が確認され、これら細胞の造血マトリックス構築における役割が示唆された。最近CIの造血因子としての役割が報告され、血液幹細胞の分化、増殖機構におけるCIの作用について検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)