サイトカインによる好中球機能亢進作用とその機序に関する研究
Project/Area Number |
63570577
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
北川 誠一 自治医科大学, 医学部, 講師 (50133278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯尾 明 東京大学, 医学部, 医員
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 好中球 / 顆粒球コロニー刺激因子 / 腫瘍壊死因子 / 活性酸素 / 補体受容体 / 粘着能 |
Research Abstract |
サイトカイン、特に顆粒球コロニー刺激因子(GーCSF)と腫瘍壊死因子(TNF)によるヒト好中球機能亢進作用とその機序につき解析した。GーCSFは好中球に作用して、膜受容体を介する代謝誘導物質(遊走因子、レクチン)により誘導される活性酸素産生及び膜脱分極反応を亢進させたが、膜受容体を介さない代謝誘導物質(カルシウムイオノホア、ホルボールエステル)により誘導される代謝反応には影響を与えなかった。最大効果は、25ー50ng/mlGーCSF、10分間の前処理で得られた。GーCSFは、遊走因子やレクチンにより誘導される細胞内遊離カルシウムイオンの増加には影響を与えず、また、遊走因子受容体にも影響を与えなかった。GーCSFは、補体(C3bi)受容体の膜上への発現を増強し、同時に、粘着能を亢進した。この作用は、25ー50ng/mlGーCSF、30分間の前処理で最大であった。GーCSFによる好中球機能亢進作用は、温度依存性であり、蛋白合成を必要としなかった。また、単球には作用しなかった。GーCSFを化学療法施行中の悪性リンパ腫患者に投与すると、好中球数の増加ばかりでなく好中球機能の亢進も認められ、臨床的にも極めて有用な薬剤と考えられた。一方、TNFは、GーCSFを遙かに凌ぐ極めて強い好中球機能亢進作用を有しており、最大効果は、100単位/mlTNF10分間の前処理で得られた。TNFは、カルシウムイオンを動員する代謝誘導物質(遊走因子、レクチン、カルシウムイオノホア)により誘導される活性酸素産生及び膜脱分極反応を亢進させたが、ホルボールエステルにより誘導される代謝反応には影響を与えなかった。TNFは、コンカナバリンAにより誘導される細胞内遊離カルシウムイオンの増加を亢進した。TNFは、単独でも、弱いながら好中球の活性酸素産生を誘導し、この作用は、サイクリックAMPで阻害された。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)