Project/Area Number |
63570798
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福間 真理子 慶応義塾大学, 医学部薬化学研究所化学療法部門, 助手 (60101995)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 金属クラスター / 抗ヘルペスウイルス物質 / 潜伏感染 / 再活性化 / 蛍光顕微測光 / DAPI染色 / acridineorange染色 |
Research Abstract |
金属クラスター化合物のタングステン酸塩に強い抗ウイルス作用を見出したので、63年度は単純疱疹ウイルス(HSV)の増殖及び潜伏感染からの再活性に対する作用を蛍光測光法を用いて検討し、以下の結果を得た。用いた細胞はVero細胞、人胎児二倍体細胞(Flow 2000、MRCー5)で、マウスはBalb/c 5週令雌を用いた。蛍光測光装置はOSPー1(オリンパス)を用いた。PMー19(K_7Ti_2・W_<18>PO_<40>・6H_2O)は、5μg/mlでHSVー1型、2型のの増殖をほぼ50%抑制し、Vero細胞に対する50%細胞増殖阻止濃度は500μg/ml以上であったので化学療法系数は約100であった。acyclovir耐性株に対しても感受性株と同様に抑制作用があり、acyclovirとは作用が異なることが示唆された。PMー19はウイルス直接不活化作用はなく、細胞を前処理しても作用は発現しないので、HSV増殖過程のどこかを阻止していると思われる。MRCー5にHSVを感染させDAPIで核染色をすると6時間目には核内DNAの有意の増加が見られ(対照:感染=2.008:2.077n、p<0.01)10時間で核構造の変化が見られた。PMー19処理により24時間まで感染細胞におけるDNA量は変化がなく核構造も正常であった。又、HSVのNP40ー45抗原の発現も完全に抑制した。培養細胞における潜伏感染系および神経節の器官培養で再活性化するウイルスにも阻止活性を示した。In vivoでcyclophosphamide(CY)前処理した免疫抑制マウスにおいて60%のマウスが感染死より免れた。又、CYーHSV感染マウスのDTH反応を増強した。CYーHSV感染マウスの末梢リンパ球のRNAとDNA比をacridineorange染色により蛍光測光をすると感染マウスで有意のRNA量の増加が認められた(0.466:0.532、p<0.001)。PMー19の抗ウイルス作用はウイルス増殖に対してのみではなく、生体防御機構を介してより有効に働くと考えられる。これら活性化されたリンパ球の表面抗原を分析し、PMー19の免疫系に対する作用を詳細に検討する。
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