Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
1.マウス顎下腺アンドロゲンレセプター複合体の核へのin vitro相互作用:雌マウス顎下腺から調製した細胞質レセプターを〔3H〕R1881(合成アンドロゲン)で標識し、0.4MKClにて活性化した。一方、雄マウス顎下腺から粗核を調製した。活性型ならびに非活性型アンドロゲンレセプター複合体をそれぞれ粗核とインキュベートしたところ、活性型レセプター複合体が優位に核と結合した。従って核との相互作用にはあらかじめレセプター複合体の活性化が必要である。 2.in vivo投与〔3H〕R1881の顎下腺核クロマチンへの結合:雌マウスに〔3H〕R1881を皮下投与し、1時間後に摘出した顎下腺から精製核を調製した。この精製核にmicrococcal nucleaseを作用させた。得られた可溶化画分についてagarose gel電気泳動を行ったところmono-,di-,nucleosome等を含むDNA断片の〔はしご状〕パターンが見られた。また密度勾配遠心により分離したところ、〔3H〕活性をもつmono-,di-,trinucleosomeが得られた。従って投与アンドロゲンはレセプターを介して顎下腺核と相互作用すると考えられる。 3.exchange assayによる核クロマチン上のアンドロゲンレセプター複合体の検出:雄顎下腺から調製した精製核をnuclease処理し、得られた可溶化画分を密度勾配遠心にて分離分画した。ついで各画分を〔3H〕mibo-lerone(R1881とほぼ同様の動態を示す合成アンドロゲン)とO℃で24時間インキュベートし、内因性アンドロゲンレセプターの〔3H〕miboleroneによるexchange assayを行なった。その結果、mono-,di-,trinucleosome上の〔3H〕活性を認めた。 以上のことより、アンドロゲンレセプター複合体は核と相互作用し、その結合部位はnucleaseに感受性をもつ転写活性の高いクロマチン領域に存在することが示唆された。
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