Project/Area Number |
63570890
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 重信 大阪大学, 歯学部付属病院, 講師 (10177917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 靖夫 大阪大学, 歯学部付属病院, 講師 (80165993)
島内 英俊 大阪大学, 歯学部, 助手 (70187425)
戸田 比佐志 大阪大学, 歯学部, 助手 (60197895)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 歯周炎 / 多形核白血球機能 / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
多形核発血球(PMNL)は、生体防御機構を担う重要な細胞の一つである。全身的にPMNLの機能低下或いは機能異常のある場合に重症の歯周炎が認められるとの報告、また若年性歯周炎や重度進行性歯周炎患者の末梢血PMNLの機能低下を示唆する報告などから、歯周炎の発症と進行にPMNLが関与していることが示唆されている。しかし、PMNLのいかなる機能低下が歯周炎の発症機序と関連するのか、またPMNL機能と病状や病態との関連性については末だ明確にはされていない。そこで本研究では、歯周炎におけるPMNLの役割を明らかにする目的で、各種歯周炎患者の末梢血PMNLを対象に、貧食能と、細胞内殺菌能としての過酸化水素(H_2O_2)産生能について解析を行い、各種臨床パラメーターとの関連性についても検討を行った。被験者は、年令と骨吸収型より限局型若年性歯周炎患者(LJP)、広汎型若年性歯周炎患者(GJP)、成人性歯周炎患(AP)の3群の歯周炎患者、それぞれ15名、13名、52名とした。貧食能は、螢光ビーズを被貧食粒子としフローサイトメトリーを用いた微量全血法で行い、H_2O_2産生能は、PMAを刺激物質としたフローサイトメトリー法で行った。その結果、1.LJP,GJP群の約半数の症例において、末梢血PMNLの貧食能の低下、即ち、(対照群の平均値一標準偏差法2倍)を越えての低下が認められた。2.AP群の貧食能の低下は観察されなかった。3.貧食能の低下は歯周治療により変動しなかったことから、若年層の歯周炎の発症機序に関与している可能性が示唆された。4.H_2O_2産生能は、LJP、GJP群のみならずAP群においても対照群と比較して亢進が認められ、この程度は歯周炎の重症度と正の相関を示した。5.貧食能の低下とH_2O_2産生能とは相関しなかった。6.亢進していたH_2O_2産生能の値は、歯周治療により対照群の値域に近づいて変化とたことから、歯周炎患者の末梢血PMNLのH_2O_2産生能は、歯周局所の病態や病状に深く関与していることが示唆された。
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