有機金属化合物を利用した環状化合物の新規クロスカップリング反応開拓研
Project/Area Number |
63570987
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
染井 正徳 金沢大学, 薬学部, 教授 (20110546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 享子 金沢大学, 薬学部, 教務職員 (50180245)
山田 文夫 金沢大学, 薬学部, 助手 (80135087)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | タリウム化合物 / 4位置換インドール / 7位置換インドール / 麦角アルカロイド / サイタル反応 / ニトロインドール / アジドインドール / 有機ケイ素化合物 |
Research Abstract |
我々は広義のthallation-palladation法という概念を確立し、本概念を演繹的に展開し、これまでにcross-coupling法としてタリウム化合物とオレフィン化合物間で進行する狭義のthallation-palladation反応、有機ホウ素化合物間とのホータル反応、有機スズ化合物間とのチンタル反応の開拓に成功してきた。本年度はさらにチンタル反応の合目的性を高めるため、 1.麦角アルカロイド短工程全合成を目標として、ピリジルチン化合物と(3-formylindol-4-yl)thallium bis(trifluoroacetate)(A)との反応条件検討を行い、目的とする3-methoxycarbonyl-5-pyridyl基をわずか一工程で収率良くインドール骨格4位へ導入する事に成功した。 2.一方先の概念を有機ケイ素化合物群との反応にも展開し、Aと各種有機ケイ素化合物との新規なcross-coupling法を見出す事に成功し、本法をサイタル反応と命名した。本法の収率はチンタル反応よりやや劣るが、試薬となる有機ケイ素化合物群が豊富で入手容易である点および空気や水の存在下でも進行する点が本法の長所となっている。 3.CーTL結合をさらにCーNO_2,CーN_3結合へ変換する事を試み,Aまたは(1-acetyl-2,3-dihydroindol-7-yl)thallium bis(trifluoroacetate)(B)をN,N-di-methylformamide(DMF)中(1)Cu(NO_3)_2と無水酢酸と反応させる方法、(2)CuSO_4・5H_2OとNaNO_2と反応させるという二つの新規な方法を案出し、従来多工程を要し低通算収率でしか合成出来なかった4-および7-nitroindole類の簡単な合成法を発見する事に成功した。さらに(3)AまたはBをDMF中単にCuSO_4・5H_2OとNaN_3と加熱するだけで4-および7-azido-indole類を合成する新法も見出した。従って従来の成果と合わせ、タリウム化合物のC-TL結合を各種のC-C、C-N、C-O結合へと変換出来る7種の新反応の発見に成功し、今後の有機化学の発展に貢献する成果をあげ、研究課題に掲げた目的達成に成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)