細菌によるバイ(海つぼ)毒化のメカニズム解明及びバイ毒素の合成
Project/Area Number |
63571000
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
辻 邦郎 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (70046283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 均司 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (40137071)
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Project Period (FY) |
1988 – 1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | neosurugatoxin / prosurugatoxin / ニコチン性受容体 / 中枢神経 / 自律神経 / 海洋細菌 / 毒素 / Babylonia japonica / 分解 / 合成 / 定量 / 海洋 |
Research Abstract |
自律及び中枢神経系のニコチン性受容体に特異的に作用するバイ毒素neosurugatoxin及びprosurugatoxinはこれまで強力拮抗薬がなかったため不明の部分が多い脳内ニコチン性受容体の分布、特性、神経伝達機構の分子レベルでの研究、更には中枢神経疾患の病態生理の解析、有効な治療薬の開発研究等、神経生理学分野の発展に大きく寄与するものと思われる。 本年度はバイ毒素の生物学的大量合成を目的として、バイ毒素産生菌の培養条件と毒素産生量について検討した。先ず塩濃度、PH、培養温度を変化させて培養を行い、培養液を凍結乾燥後Sepade×G-25、Bio-GelP-2、で精製しHPLCで毒素を定量した。 毒素産生菌はNaCl濃度1〜3%で最もよく発育し、0.5%濃度でも充分に発育する。しかし、8〜12%の高濃度では発育は極めて遅く、15%ではほとんど増殖しなかった。バイが毒化を起こした静岡県沼津市我入道海域は、狩野皮の河口であり、塩濃度は一般海水より低濃度と考えられるが、いずれの塩濃度においても、毒素産生量の増加は認められなかった。 毒素産生菌はPH5.5〜8.0では良好に発育する。しかし、PH5.0では極めて発育が遅く、又PH4.5ではほとんど発育しなかった。毒素がアルカリには極めて不安定であることから、培養は酸性側で検討したが、発育と共にPHは徐々に上昇しアルカリ側に傾くためBufferを用いて検討したが、著しい産生量の増加は認められなかった。又、培養温度についても検討したが、37℃より15〜20℃の低温で培養した方が発育は遅いが毒素産生量はわずかではあるが増加した。 その他、我入道の海水、海底泥、毒化バイエキス等を添加し検討したが、今までのところ毒素産生は認められていない。今後は、バイに細菌を感染させ、細菌とバイとの関連について検討する計画である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)