差螢光ラベリング法によるミオシン頭部の三つのドメインの構造変化の検出
Project/Area Number |
63580110
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質生物化学
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
平塚 寿章 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30041825)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 螢光ラベリング / ミオシン頭部の構造変化 / ミオシンATPアーゼ |
Research Abstract |
筋収縮に関与するタンパク質であるミオシンは一方の端に球状の頭部をもつ棒状分子である。筋収縮時のエネルギー源となるアデノシン-5′-三リン酸(ATP)が結合して分解される部位や、ミオシンのパートナーとなるタンパク質アクチンを結合する部位はミオシン頭部に存在する。現在ミオシンは、20K、50K、26Kと呼ばれる三つの"ドメイン"に分けて研究されている。筋収縮のメカニズムを考える上で、これら三つのドメイン間の相互作用がどの様にしてミオシン頭部の機能に関連しているかが、当面最も重点的に研究されなければならない。ミオシン頭部の三つのドメインを差螢光ラベリング法により特異的にラベルして、結合している蛍光ラベルのスペクトル変化から各々のドメインで起きる構造変化を検出することはこのような研究に不可欠な実験である。 ウサギ骨格筋ミオシンからその頭部(S-1)をキモトリプシン消化により調製し、これにセリン残基と特異的に反応する螢光試薬である9-アントロイルニトリル(ANN)を作用させた。この反応でS-1重鎖が特異的に標識されたが、この標識はATPまたはADP存在下でしか起きなかった。標識S-1について調べたところ、26Kドメインにある1モルのセリン残基に螢光試薬が結合していた。この標識によりS-1のATP加水分解活性は70%も減少した。一方、ミオシンに特異的に結合することがわかっている阻害剤ペプチドを沖縄産の海綿より抽出して、これをS-1に加えてANNを作用させると26Kドメインの標識のされ方は減少した。 以上の結果から、ミオシン分子頭部にATPやADPが結合すると26Kドメインに構造変化が起きて1モルのセリン残基の反応性が高くなること、海綿由来の阻害剤ペプチドはこのセリン残基の付近に結合することが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)