ヒト内在性レトロウィルス遺伝子により転写制御される細胞遺伝子の解析
Project/Area Number |
63580136
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質生物化学
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
加藤 宜之 国立がんセンター研究所, ウィルス部, 研究員 (40150883)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 内在性レトロウィルス / 転写制御 / 細胞遺伝子 / Z_n^<2+>結合フィンガー構造 / DNA結合性蛋白質 |
Research Abstract |
ヒト内在性レトロウィルス、ERV3、遺伝子の転写レベルでの解析により予想されたERV3遺伝子下流の細胞遺伝子を明らかにした。ERV3遺伝子の5′-LTRから転写された9kb及び7.3kbのmRNAは、3′-LTR下流におけるRNAスプライシングにより細胞遺伝子領域と連結していると予想された。まず、胎盤mRNAよりランダムプライマーを用いてλgt10のcDNAライブラリーを作製し、3′-LTR下流領域を含むcDNA断片をクローニングした(λPr-119)。λPr-119のcDNA断片2.3kbの塩基配列を決定した。その結果、このcDNA断片にはERV3のenv領域の3′側と3′-LTR、そしてその下流に予想通り約1kbにわたる読み取り枠(ORF)が存在していた。このORF内には興味深い事に相互に約80%の塩基配列上の相同性を有する84bpから成る9回の繰り返し構造が認められた。このORFをアミノ酸に翻訳してみると、転写調節因子などのDNA結合性蛋白質に見られるZ_n^<2+>結合フィンガー構造の9回の繰り返しが存在し、特にショウジョウバエのsegmentation geneの1つであり"gap gene"とも呼ばれている"kru^^‥ppel"遺伝子及びそれに関連するマウスmkr2遺伝子と高い相同性を示した。このORFは開始ユドンを含む事より、ERV3レトロウィルスがHomo sapiensの出現以前に、この遺伝子の5′側に組み込まれたものと考えられた。また、この遺伝子は多くのコピー数により成る遺伝子ファミリーを形成しており、ヒトとチンパンジーでは良く保存されている事も明らかにした。現在、さらにフィンガー構造が続くと考えられる遺伝子の下流域を含む、cDNAを解析中である。 以上、本研究により、ERV3遺伝子から転写されり9及び7.3kbmRNA中にはERV3のenv蛋白質に関する情報と細胞遺伝子産物に関する情報の両方が含まれている事が判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)