異種動物チログロブリンの分子構造比較による分子内甲状腺ホルモン合成機構の研究
Project/Area Number |
63580146
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
代謝生物化学
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
近藤 洋一 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (70008598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正 公枝 群馬大学, 内分泌研究所, 教務員 (40201561)
岡島 史和 群馬大学, 内分泌研究所, 助教授 (30142748)
鈴木 真太郎 群馬大学, 内分泌研究所, 助手 (10008609)
井上 金治 群馬大学, 内分泌研究所, 助教授 (50091963)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 甲状腺 / ホルモン合成 / チログロブリン / メクラウナギ / ヨードタンパク質 / アミノ酸組成 / 糖タンパク質 |
Research Abstract |
高等動物では、甲状腺ホルモンはチログロブリン(Tg=分子量66000、2サブユニットからなる)のチロシン残基のヨウ素化、2残基のヨードチロシンの分子内カップリングによって生産され、分子内にホルモン残基として保持される。高等ホルモン残基が生産されるのはチログロブリンのみであるばかりでなく、試験管内の酵素反応によるヨウ素化反応でもホルモン生産効率(ホルモンヨウ素/全ヨウ素)の最も高いタンパク質である。この生産効率の原因と考えられる構造上の特性については我々の研究も含め、これまでに多くの研究がある。この問題に分子進化の観点からの検討を試みるため、海水産の最も下等な脊椎動物である、メクラウナギの甲状腺ヨウ素化タンパク質(HIP)の構造を調べTgのそれと比較した。 1)HIPはTgと異なり、50%硫安に溶け、分子サイズでTgの半分以下と思われる複数の分子種を含む。2)ゲルクロマトグラフィーで最初に溶出される主要な成分を精製し4種のヨウ素含量の異なる成分を得た。3)ヨウ素含量はTg(1%前後)よりはるかに高く、総アミノ酸量の2-6%に及んだ。糖含量、特にアミノ糖含量はヨウ素含量の高いものほど高く、50%を超えた(Tgは10%前後)。4)ホルモン精製効率はTgよりはるかに低いが、ヨウ素量に依存する傾向を示し、ヨウ素含量6%の成分ではアミノ酸量あたりのホルモン残基数はTgの数倍であった。5)各成分のアミノ酸組成もTgとは全く異なり、特にシステイン含量の低いことは分子内架橋の少ないことを暗示した。以上の結果は海水産のHIPでは高ヨウ素/高ホルモン型のホルモン合成が起こっており、低ヨウ素環境下で、低ヨウ素/高ホルモン型の効率のよいホルモン合成機構を獲得するためにはTgの基本構造を持ったタンパク質の出現が必要であったと言えよう。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)