Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
軽水炉の一次系配管破断事故時の再冠水過程では、クエンチフロントより上部で、上昇する二相流中での膜沸騰によって燃料体よりの熱除去が行われる。最近の大型再冠水実験では二次元的効果によって流れの速度分布が存在することが指摘されており、こうした実験に基づくコ-ド開発においても500kpa程度以下の種々の系圧力下における主流速度の膜沸騰熱伝達への影響の解明が強く要望されているが、現在迄、全くと言ってよいほど解明されていなかった。主な研究成果は以下の通りである。 1)水中で膜沸騰状態にある水平円柱発熱体に直交して水が上方に流れる場合の流速変化の膜沸騰熱伝達への影響を、円柱直径0.7,1.2,3.0,5.0mm,系圧力101〜490kpa,液サブク-ル度0〜20k,発熱体表面過熱度150〜800k,流速0〜0.83m/sの広範囲な実験条件下で求め、前年度に行った直径3mmの発熱体における強制対流飽和膜沸騰熱伝達の実験結果と併せ、これらのパラメ-タの膜沸騰熱伝達に対する影響を伝統的に整理した。 2)Bromleyは、大気圧下で種々の液体が水平円柱発熱体と直交して流れる場合の飽和膜沸騰熱伝達実験を行い、それに基づく飽和膜沸騰熱伝達表示式を提示している。この表示式は表面過熱度が低いほど、系圧力が高いほど本実験結果より大きく(例えば系圧力490kpaの場合23〜33%大きい)、実験結果の過熱度依存性及び系圧力依存性を良く記述しないことを明らかにした(研究発表1,2参照)。 3)各円柱径における飽和膜沸騰熱伝達に対する流速の影響を、±15%以内で記述する新しい表示式を提示した(研究発表1,3参照)。この表示式は、本研究代表者等が報告している水平円柱発熱体における放射を含む広い条件下のプ-ル膜沸騰熱伝達の一般的表示式(研究発表4,5)に、本実験結果に基づく流速修正項を組み込んだものである。 4)サブク-ル膜沸騰熱伝達に対する流速の影響についても、同様なプ-ル膜沸騰熱伝達表示式に基礎をおいた整理が可能かどうか現在検討中であり、ある程度見通しを得ている。
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