骨格筋のアクチン繊維鎖に沿う構造変化の伝播-その非対称性
Project/Area Number |
63580202
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子遺伝学・分子生理学
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
安藤 敏夫 金沢大学, 理学部, 講師 (50184320)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ミオシン / アクチン / 非対称な構造変化の伝播 / 滑り力発生機構 / 骨格筋 |
Research Abstract |
『ATP分解をともなうミオシン頭部(S-1)とアクチンとの相互作用により、そのアクチンの構造が変化し、それが周りのアクチン分子をも変化させる(変化の伝播)。更にはこの伝播には非対称性が存在する』 ことを検証し、更に滑り力発生機構におけるその役割りをモデルに基づき理論的に検討した。 (1)共有結合で架橋されたアクト・S-1内の裸のアクチンのS-1・ADP・Piに対する親和性が、架橋されたS-1がATPを分解しているときに低下することを発見した。またこの変化が架橋S-1量に対して二相性をもつことを発見した。この研究により構造変化が伝播することが明らかになった。伝播に非対称性を仮定すると二相性がうまく説明されることも分った。 (2)非対称を直接的に示すために、極く短いアクチン線維を調製し、そのPー端側もしくはB-端側に選択的にS-1を架橋しその二者の複合体中の残り半分のアクチンの性質の変化に差が現れるかどうかを調べることを目視した。β+アクチンでP-端をキャップすることにより安定した短いアクチン線維を得ることができた。S-1を架橋しても短い線維は安定であることを確認した。この研究を現在更に進めている。 (3)S-1を架橋されたアクチン線維の周りの電位がATPの添加により大きく変化することを、拡散律速の螢光エネルギー移動を利用して検出することに成功した。 (4)アクチン分子上に正負二個の電荷の存在を仮定し、アクチン線維に非対称なねじれを与えると、アクチン分子間にまたがる一方向性の電位勾配が生成されること、そして、その電位勾配により単位電荷が受ける力の大きさが実験的に見積られている単一クロスブリッジが発生する力とほぼ等しいことを、理論計算により示すことに成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)