熊本地震をモデルにした近代都市直下地震災害予測と巨大地震災害軽減対策の提起
Project/Area Number |
63601031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
秋吉 卓 熊本大学, 工学部, 教授 (60040383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楢橋 秀衛 九州産業大学, 工学部, 助手 (50122601)
渡辺 一徳 熊本大学, 教育学部, 助教授 (10040049)
宮崎 雅徳 九州東海大学, 工学部, 助教授 (80070001)
久保寺 章 京都大学, 理学部, 教授 (70025229)
表 俊一郎 九州産業大学, 工学部, 教授 (90037995)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 直下地震 / 活断層 / 断層活動度 / 家屋地震被害率 / 常時微動 / 液状化 / 地下水位 / 微地形 |
Research Abstract |
日本では、社会的・経済的な活動域は常に沖積層に集中し、そこに都市を発達させ人口や施設を集積させてきたので、大規模ではなくても直下地震であれば大被害の可能性がますます高まりつつある。このため、近代における直下地震の貴重な一例である熊本地震の調査により、熊本市のような中規模都市の地震被害の予測とその軽減対策について検討を試みた。その結果は以下のように要約される。 (1)熊本地震による木造家屋の大被害が、市直下を走る立田山断層線上に並ぶことを見出し、これより熊本地震はこの立田山断層の浅いところでの活動による直下地震であることをほぼ確定させることができた。さらに、立田山山中等で、この断層が活断層であることを視認し、20万年前より平均0.1mm/y以上の活動をしていることを確めた。(2)常時微動観測結果から、海洋性のスペクトルを消去してみると、沖積層が厚いと卓越周期は低く、振幅は増大し、大むね沖積層厚と木造家屋の被害率との強い相関性を追認する結果を得た。(3)気象庁震度は木造家屋の被害率と密接な関係にあるが、地震被害率は古い家屋と新しい家屋とでは明らかな相違が認められ、これには建築規準法の改正による家屋の強度増加の影響が反映していることが分った。これより、家屋被害率より震度推定を行うときは、建築年次による補正を行うべきであることを指摘した。(4)熊本地震でも市内のいたるところに地盤の液状化が発生したが、そのほとんどは、新・旧河川敷、掘割等の水位の高い砂質性の地盤で発生し、断層には沿っていなかった。さらに、その余震でも液状化が同一地点で再発するとともに、慣用の液状化推定範囲をはるかに起えた、80kmもの遠方の佐賀平野にも液状化が発生することが分った。これより液状化の判断には、微地形の歴史の調査を重視すべきことを提起した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)