Project/Area Number |
63601032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
谷口 義信 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70041051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
疋田 誠 鹿児島工業高等専門学校, 助教授 (90044619)
下川 悦郎 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (60041670)
平野 宗男 九州大学, 工学部, 教授 (50037850)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 土石流せん断力 / 破壊摩耗 / 巨礫 / 衝撃荷重 / 放射温度計 / 摩擦熱 / 斜面侵食 / 降灰 |
Research Abstract |
本研究は、活火山地域における土石流による農林災害の予測とその防止を目的として、流路工底盤に作用する土石流せん断力の推定、流動時の流路内の温度上昇の原因究明、および山地斜面の侵食量予測の3項目に分けて行われた。 土石流のせん断力については、鋼板の曲げ変位量と作用力との間に比例関係が成立することを利用して、L型簡易せん断応力計を試作し、予めこれに与えた検定荷重による変位量を基準値として、実測変位量から土石流流下時に作用したせん断力を推定することを試みた。計算の結果1988年9月24日および10月6日有村川で発生した土石流については0.46kg/cm^2〜2.13kg/cm^2のせん断力が働いたと推定される。この時の流速はVTRの読み取りの結果、11.3m/sec水深は1.0mであることがわかった。また流路工底盤の破壊摩耗については、礫の落下高を約10cm、コンクリートのひずみ量を約1mmと見積っても、このとき礫による衝撃荷重は同礫の静荷重の約15倍となることから考えれば、特に巨礫の衝撃荷重は流路工底盤の破壊摩耗の最も大きな要因となることを明らかにした。 一方土石流流下時の温度上昇については放射温度計および超音波距離計を持木橋の橋桁(高さ6.92m)に取り付けて行われた。1988年9月26日および10月6日発生の土石流では、0.4〜1.5℃の温度上昇が観測された。この温度上昇が土石流の摩擦熱によるものかどうかは現時点ではデータが少ないので判断できないが、温度上昇の起こることは明らかとなった。 林地災害に直接つながる活火山地域の斜面侵食については、小規模でも長期間噴火活動が続いている桜島では、10年以上にわたって12mm/yrもの侵食速度を維持しているのに対し、大規模でも単発的であったSt.Helensでは、2年目以降は急激に低下し、活火山地域の中でも噴火活動の継続期間の長短により侵食特性に相違の現れることを明らかにした。
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