改良別モデルによる地すべり・斜面崩壊の災害危険地図の作成
Project/Area Number |
63601521
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々 恭二 京都大学, 防災研究所, 助教授 (30086061)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日浦 啓全 京都府立大学, 農学部, 助手 (30046495)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 地すべり / 災害危険地図 / せん断試験 / リングせん断試験 |
Research Abstract |
大規模な地すべりの運動時のマサツ角の測定を目的として、1987年より試作を行って来た高圧用高速リングせん断試験機が1988年夏に完成したので、これを用いて予備試験と種々の改良を行い、現場から採取した土をそのまま試験できる実用的な試験方法を確立した。その後、この試験機を用いて御岳大崩壊、地附山地すべりから採取した土の運動時のマサツ角の測定を行った。その結果、1)せん断速度を変化させると、1m/secの高速のものでは若干マサツ角が増大したが、その値は1-3度と余り大きくなかった。2)定体積条件でせん断すると、せん断中の粒子の破砕が著しく数mの移動で応力は10分の1程度まで低下した。3)地すべり進行時に地盤内で発揮されるせん断強度の直接測定として、せん断しながら垂直応力を急激に載荷したところ、発生した間ゲキ水圧のためにせん断強度は破壊包絡線よりはるかに低い値に移行し、御岳大崩壊の土では破壊包絡線上にもどるのに約30秒、地附山の土では10-20時間要した。これらの実験結果より運動時の真のマサツ角は速度によって余り変わらないこと、高速高圧せん断では粒子の破砕のために非排水状態での間ゲキ水圧の発生が著しいこと、透水係数の差によって発生した間ゲキ水圧の発散速度が著しく異なることが分かった。以上の研究により、該当斜面の土を採取した本研究で確立した試験を行えば土粒子のせん断特性、透水性、飽和度に対応した信頼し得る運動時のマサツ係数の測定が可能となり、その測定結果を1988年に発表したシミュレーション法に適用することになり、地すべりの災害危険地図を説得力ある形で提案できる学術的基礎はできた。今後、継続して研究費が得られれば、実際の地域を対象に現地調査、土質試験、地形入力等により災害危険地図作成のモデル作業と検討を行い、有効、かつ実用的な地すべり災害危険地図作成方法の確立とそのマニュアルの作成を行いたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)