Project/Area Number |
63602511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸田 清 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (00015637)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 液面微生物膜 / 水平型リアクター / 酢酸廃水 / 合成下水 / 比表面積 / 液滞留時間 / 省エネルギー / BOD |
Research Abstract |
液面に産膜性の微生物を生育させたオープンチャンネル型リアクターを用いて、微生物膜の比表面積および廃水の滞流時間を変えて酢酸廃水の酢酸除去率を測定した。また、酢酸廃水の代りに合成下水を用いて同様の実験を行い家庭廃水など一般廃水に近い組成の廃水の小規模処理における最適操作条件を設定するための基礎となる知見を得た。液面に形成した微生物膜は、膜自体に衝撃を与えなければ比較的安定であり、液線速3.0Cat min^+まで膜の損傷を認めなかった。それぞれの廃水の処理実験を広い実験条件下で行い、有機物残存率が比表面積と液滞留時間の積a・tに対して指数的に減少することを認めた。10,000mgl^<-1>の酢酸を含む酢酸廃水の場合はa・tを15〜20cm^<-1>hにすることによりほぼ90%の酢酸が除去できることを明らかにした。比表面積aの値を大きくすれば滞留時間tが短かくて済む。なお酢酸の除去に必要な酸素需要量を計算したところ亜硫酸ソーダ法で測定した酸素供給量よりも数倍大きかった。液面微生物膜では自由液面の数倍大きい酸素移動が起っている可能性を示唆する。 酢酸ナトリウムを主成分とする合成下水(BOD 200mgl^<-1> T-N20,T-P5)を用いた場合はa・tが7以上で90%以上のBOD除去率が得られた。酸素供給速度の測定結果よりこの研究で用いた浅い流れの開水路で合成下水のBODを酸化するのに必要な酸素が充分供給できることが分った。FN除去率は約50%であったが廃水中のリンは殆ど除去できなかった。以上の実験結果から、浅い流れの流通廃水処理装置を用いて、液面微生物膜の生物酸化による廃水中有機物の除去を効率良く行える見通しを得ることができた。この処理法は酸素供給のための動力を必要としないので、省エネルギーに寄与すると考えられる。
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