高温型燃料電池構成材料の熱力学的および電気化学的性質
Project/Area Number |
63603521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田川 博章 横浜国立大学, 環境科学研究センター, 教授 (70126382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水崎 純一郎 横浜国立大学, 環境科学研究センター, 助教授 (90092345)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | アルカリ炭酸塩とセラミックスの反応 / 安定化ジルコニアのアルカリ炭酸塩に依る反応 / 溶融炭酸塩燃料電池 / SOFC酸素極反応 / ペロブスカイト型酸化物電極 / 固体酸化物燃料電池 |
Research Abstract |
高温燃料電池開発の上で、問題となっている溶融炭酸塩型燃料電池の電解質(アルカリ炭酸塩)の腐食性と、固体酸化物型燃料電池の酸素極反応に焦点を合わせて研究を進めた。(1)アルカリ炭酸塩による安定化ジルコニアの腐食、安定な機能性ラセミックスの例として安定化ジルコニアを取り上げ、アルカリ(Li、Na、K)炭酸塩との反応挙動をSEM、BEI、EPMAを用いて調べた。固相の炭酸塩との反応では、まずジルコニア表面が侵され、表層にジルコニア酸塩が生成する。この層の成長とともに、アルカリ金属はジルコニアの粒界に沿って内部に侵入する。生成ジルコン酸塩の体積膨張によってジルコニアは機械的に破壊する。液相の炭酸塩中では、固相の炭酸塩との反応初期にみられたジルコン酸塩は殆ど観測されることなく、表層からジルコニアが削り取られるようにして反応が進行し、同時にアルカリ金属のジルコニア内部への侵入が観測される。熱力学的検討の結果、アルカリ金属炭酸塩とジルコニアとの反応性を支配する主な要因はアルカリ金属の種類ではなく、むしろ腐食されるセラミックスの側にあることが示された。(2)固体電解質型燃料電池の電極反応機構、La_<0.6>Ca_<0.4>MO_3(M:Mn、Co)/安定化ジルコニア系電極を取り上げ、電極酸化物の違い、電極厚さの違い、電極微細構造の違いが電極系のインピーダンス、空気極の分極特性にどの様な影響を与えるかを調べた。その結果、以下のようなことが解明された。1)1100℃で焼成したLa_<0.6>Ca_<0.4>CoO_3/YSZ界面にはCaZrO_3層が生成する。この層は電極として働き、電極特性はCaZrO_3/YSZ界面の性質によって決まる。2)La_<0.6>Ca_<0.4>MnO_3/YSZ系電極では、気相酸素の電極反応過程は、電極材料表面への酸素の吸着、表面拡散、気相/酸化物電極/電解質の三相界面での反応という経路を辿る。気相酸素のLa_<0.6>Ca_<0.4>MnO_3表面への解離吸着反応が比較的遅いため、大電流を流すためには、多孔性電極の表面積を大きくすることが必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)