超電導機器及びケーブルの極低温電気絶縁に関する研究
Project/Area Number |
63603536
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉野 勝美 大阪大学, 工学部, 教授 (70029205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 一郎 大阪大学, 工学部, 講師 (30029128)
尾崎 雅則 大阪大学, 工学部, 助手 (50204186)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1988: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 超電導 / 超電導機器 / 電気絶縁 / 絶縁材料 / 極低温電気絶縁 |
Research Abstract |
極低温絶縁で問題となる機械的性質、熱的性質が高分子の分子構造、高次構造とどの様に関係するのか、より優れた材料を開発するにはどの様な指針で新しい構造のものを探索すれば良いかを明らかにするため、高次構造を制御した超高延伸ポリエチレン、共役系を主鎖に持つ導電性高分子を中心に研究を進め、以下の成果を得た。 (1)高密度ポリエチレンをロール延伸すると極めて高配同の超高延伸ポリエチレンが得られる。延伸により比抵抗は上昇し、絶縁破壊強度、誘電体損等は余り変化せず、低温での電気特性は超高延伸により改善される。 (2)室温、低温いずれにおいても超高延伸により機械強度は上昇し、弾性率も著しく大きくなる。例えば8倍以上の延伸試料では被断強度は1GPa以上もなる。更に、実用上、破壊強度、弾性率と共に重要となる靭性も5倍延伸位の所で大きく上昇する事が明らかとなった。即ち、超高延伸を行う事によって極低温材料としての機械特性は大きく向上する。 (3)未延伸の試料は当然の事として冷却により収縮するが、10倍程度の超高延伸試料では逆に膨脹し、負の膨脹係数となる事、中間の延伸試料では非常に小さな膨脹係数となる事が明らかとなった。即ち、低温による収縮率を超電導材料、金属材料とマッチングさせる事が可能となった。 (4)禁止帯幅が2eV程度以上の共役系高分子はかなり良好な極低温絶縁材料となる事が明らかとなった。即ち、比抵抗は77Kで10^<15>Ω・cm以上となり、絶縁破壊強度も3MV/cm以上となる。更に、極めて高い機械的強度、弾性率を有している。熱膨脹係数も延伸試料では極めて小さくできる事が明らかとなった。尚、熱拡散係数も高分子としては1桁以上も高い値である事が見い出された。以上の様に、超高延伸により分子を高度に配向させる、主鎖に共役系を導入する事等により、より優れた極低温絶縁材料を実現できる可能性がある事が明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)