遷移金属表面と吸着分子との相互作用のメカニズム、金属クラスターを用いた理論的解析
Project/Area Number |
63604503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 公男 北海道大学, 理学部, 教授 (40000731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘脇 洋 名古屋市立大学, 計算センター, 教授 (20002115)
田中 皓 北海道大学, 理学部, 講師 (00000860)
佐々木 不可止 北海道大学, 理学部, 助教授 (90000794)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 高温超伝導 / YBa_2Cu_3O_7 / スピン結合 / 酸素2P空孔 / CuCH_2 / 双極子モーメント / 四電子励起効果 |
Research Abstract |
CuCH_2の計算:前年度に続き電子構造を詳しく調べ、CH_2はCuとの結合によってCu^+CH_2^-の様に強く分極し、双極子モーメントは3、9デバイとなる。更にCH_2基は電子移行によってCH結合が弱まるという結果を得た。 高温超伝導物質YBa_2Cu_3O_7:YとBa に対応する点電荷につつまれたCu_3O_<12>クラスターを取り出してab initio SCF、CI計算を行った。このクラスターのどの辺から電子が取れやすいかを調べる目的でイオン化エネルギーを求めた。1個の銅が4個の酸素に囲まれた2次元面の酸素P軌道からのイオン化エネルギーが最も低くて、O、2eVであった。そのP軌道はこの2次元面内にあってCuO軸に垂直な軌道(いわゆる2Pπ)である。超伝導発現の機構において酸素の2P空孔の重要性が指摘されているが、この結果は2Pπ空孔も考慮に入れる事が重要である事を示唆している。ここで取り上げたクラスターの安定な状態の電子構造は銅のd軌道に空孔が1個でき、更に(a)中間層CuO鎖の酸素P軌道又は(b)CuO_2面とCuO鎖とを橋渡しする酸素のP軌道に空孔ができる。超交換相互作用も記述できる簡単なCIによって種々のスピン状態のエネルギーを計算した結果上記a、bいずれの場合にも両端の2次元面と中間層CuO内のスピンの結合は弱く、スピン結合が変る事による励起エネルギーはa、b各々の場合ごとに約100cm^<-1>と25cm^<-1>である。この値は大変小さく、その絶対値は信頼できないが、両者間のスピンの結合はゆらぎやすい事を示している。 多参照関数から出発したし1、2電子励起CI法に4電子励起効果を取り込む手法:計算法の定式化、計算機プログラムの作成を終え、小さい分子からテスト計算を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)