高品位LB膜における機能性原子団の配列制御とその物性および反応性
Project/Area Number |
63604514
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
中原 弘雄 埼玉大学, 理学部, 助教授 (10008849)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 両親媒性機能分子 / 長鎖メロシアニン / α-L-ナフチルアラニン-リジン / 長鎖誘導体 / オリゴチオフェン / 累積分子(LB)膜 / 分子配列制御 / J会合体 / 光励起エネルギー緩和 |
Research Abstract |
機能性原子団を含む両親媒性分子を水面上に単分子膜として展開し、それらを固体表面に累積したLB膜について、各種の分光法を駆使して分子の配列制御と機能との相関について検討した。1)長鎮メロシアニン染料を種々のマトリックス分子と組成を変えて混合膜とし、水面上単分子膜およびLB膜の可視吸収スペクトルからJ会合体形成条件を明らかにした。J会合体LB膜を緑色光で励起すると赤い蛍光を発する。これを蛍光顕微鏡でみるとマトリックス分子の種類と組成により様々な形態をもつドメイン構造が観察された。J吸収帯の温度変化を解析した結果、この発光は二次元結晶における自由励起子によることが分った。J会合体の蛍光寿命を測定したところ約40psと230psの二成分が観測されマトリックス分子の含量を増すにつれていずれも長くなった。2)側鎖にナフチル基をもつα-L-アラニルリジン長鎖誘導体の単分子膜では膨張膜から凝縮膜への転移がみられ、その前後の表面圧で累積したY型LB膜で紫外・可視および赤外スペクトルには大きな違いがないが、円偏光二色性スペクトルでは累積表面圧による著しい相違が観測された。すなわちLB膜中でナフタレン相互間の異なる配列状態が実現されたと考えられ、今後これらの膜中での光励起エネルギーの緩和過程を検討する予定である。3)構造の明確なチオフェンのオリゴマーについて、光電子分光法による電子状態を明確にするとともに、共役π電子系における不規則性との相関を調べた。また長鎖脂肪酸塩と混合することによりLB膜中に取りこみ、偏光電子スペクトルおよび光電子スペクトルの出射角依存性から分子の配列状態を調べた。α-キンクチオフェンがステアリン酸カドミウムとモル比1:2で最もよく組みこまれ、膜中でπ電子系からなる分子長軸を垂直に近く配向していることがわかった。今後このπ電子系を分子導線とする機能を検討する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)