新しい微生物ポリエステルの分子構造と分離・認識機能との相関性
Project/Area Number |
63604528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土肥 義治 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (40016639)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 微生物ポリエステル / 共重合ポリエステル / 生物分解性 / 分離・認識機能 / Alcaligenes entrophus / 生体機能材料 |
Research Abstract |
最近、筆者らは、水素細菌Alcaligenes eutrophusに与える餌の炭素源を工夫することによって、新しい共重合ポリエステルを発酵合成することに成功した。吉草酸と酪酸とから、3-ヒドロキシブチレート(3HB)と3-ヒドロキシバリレート(3HV)とのランダム共重合ポリエステル(1)を発酵合成できることを見いだした。また、4-ヒドロキン酪酸から、3HBと4-ヒドロキシブチレート(4HB)との新しい共重合ポリエステル(2)が発酵合成できることを明らかにした。これらの微生物ポリエステルは、共重合組成を変えることによって多様な物性を発現し、強い糸、しなやかで透明なフィルム、弾性に富むゴムなどさまざまな材料となることを示した。バイオポリエステルの最大の特性は、土の中や沼の底の微生物が分泌するPHB分解酵素によって分解される生物分解性にある。筆者らは、開発した共重合ポリエステルの生物分解性を調べるために、P(3HB)、P(3HB-co-4HB)、P(3HB-co-3HV)の3種のフィルム(厚さ70ミクロン)を、土の中(20〜25℃)に埋めてテストした。6週間後には、4HB共重合体のフィルムは完全に分解していた。3種のフィルムを活性汚泥の中に入れ、30℃で分解のテストを行った。その結果、4HBユニットを含む共重合体は、2週間後に完全に分解することがわかった。微生物による分解の速度は、4HB共重合体>P(3HB)>3HV共重合体の序列で低下した。PHB分解菌のAlcaligenes faecalisから分解酵素を単離・精製し、分解酵素による微生物ポリエステルフィルムの分解実験を行った。酵素分解の速度は、4HB共重合体が最も速く、3HVユニットが増加するにつれて低下することを明らかにした。このように、生物(酵素)分解性は、物性と同様に、バイオポリエステルの分子構造や共重合組成によってコントロールできることを見いだした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)