Project/Area Number |
63604531
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安部 明廣 東京工業大学, 工学部, 教授 (50114848)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 高分子液晶 / サーモトロピック液晶 / 重水素NMR / コンホメーション解析 / 配向秩序パラメーター / 相転移 |
Research Abstract |
液晶の特徴は、液晶ドメイン中におけるメソゲンの高配向性にある。主鎖型高分子液晶中のメソゲンの配向秩序パラメーターは【similar or equal】0.6程度であり、完全剛直な棒状高分子がリオトロピック液晶状態で示す値S【similar or equal】0.8-0.9には及ばない。本研究は、液晶状態における分子軸の方向、メソゲンの配向、スペーサーの配向を重水素NMRを用いて解析し、高分子液晶の高性能化の基礎データを得〓〓〓 今年度は、前年度のエーテル型2量体液晶の解析結果をふまえて、同系列に属するネマチック高分子液晶[φ-OC(O)-φ-O(CD_2)_nO-φ-C(O)O-φ-O(CH_2)_nO]_xについて、重水素NMR法によるコンホメーション解析を試みた。高分子についても2量体の場合と同様、隣合うメソゲンの中心を結ぶ方向に分子軸を設定し、すべてのコンホマーに対して単一のオーダー・マトリックスが適用できるものとして取扱った。実測の重水素四極子分裂巾を再現するようなコンホマー分率をシミュレーションにより求め、この結果に基づいて、スペーサー中のC-C結合のトランス配位の分率f_tを推定した。2量体液晶の場合と同様、鎖にそってf_tの値に大きな偶奇性のあることが確認された。等方相において分子鎖はランダムコイル形態をとるものと仮定して、ネマチック【double half arrows】等方相転移点におけるコンホメーション・エントロピー(△S_<NI>)とエンタルピー(△H_<NI>)の変化量を計算したところ、△S_<NI>と△H_<NI>の計算値が実測値を大きく上回る傾向がみられた。等方相が完全にランダムではない可能性を示唆するものと考えられる。今後の研究で、等方相における残留秩序の問題を明らかにして行きたい。 この他、ネマチック相中での高分子液晶の配向秩序パラメーターにみられる鎖長nに対する偶奇効果が、分子内でのメソゲンの配向に強く関わる現象であることを確認した。
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