Project/Area Number |
63604540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
岡本 祥一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60087418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 健介 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (70198084)
小松 高行 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60143822)
広津 禎彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70016525)
山下 努 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30006259)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | イオン注入 / 窒素マルテンサイト / Fe_<16>N_2 / 交換異法性 |
Research Abstract |
本研究では、金属およびセラミックス薄膜に主にAr以下の軽イオンを高濃度に注入することによって、機能性薄膜材料を作製し得る新しい薄膜製造プロセスを開発するという目的で、イオン注入プロセスによって作製した膜のキャラクタリゼーションを行なった。本年度は、主にFe、Coといった強磁性金属薄膜に窒素および酸素イオンを注入することによって生ずる化合物や膜構造の変化と、それらに関連して発現する磁気機能性について検討を加えた。 1. 単結晶鉄薄膜への窒素イオン注入によるFe16N2の合成と磁気特性の変化:正方晶窒化鉄Fe_<16>N_2は、鉄を40%近くも上回る非常に大きな自発磁化を持つのではないかと期待されながら、準安定相であるため従来の薄膜製造プロセスでは合成が困難な物質であった。我々は、鉄薄膜に窒素イオン注入することにより、このFe_<16>N_2が合成できることを見出した。さらに、ターゲット膜(鉄薄膜)中の注入窒素イオンの分布ができるだけ均一になるように、加速電圧および注入量を段階的に変化させて注入膜中の窒化鉄の生成量を飛躍的に増大させることに成功した。それに伴い、注入膜の磁気特性の変化が明確に現れ、自発磁化はas-1mpla.の状態で注入前に比べ約13%も上昇することを見出した。また、生成した窒化鉄のC軸は膜面に垂直に配向しており、この窒化鉄の結晶異方性に伴う垂直磁気異法性が誘起された。真空アニール(150℃、2時間)による構造と磁気特性の変化から自発磁化上昇の原因を考察した。 2. Co薄膜への酸素イオン注入によるCo-CoO接合界面の形成と磁気特性:Co薄膜へO_2^+を注入し、膜中にCo-CoO接合界面を形成した。注入膜を室温から液体窒素温度まで磁場中冷却したところ、Co-CoO界面に起因する強い交換磁気異法性が誘起することを見出した。
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