Project/Area Number |
63604552
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大西 俊一 京都大学, 理学部, 教授 (00025272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 智 京都大学, 理学部, 助手 (30183049)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | フェライト / 超微粒子 / エンドサイトーシス / エンドソーム / 磁気分離 |
Research Abstract |
強磁性体フェライト超微粒子に生物学的生理活性物質を結合させ、それを種々の特異的生理活性物質の制御投与に利用する目的で、その基礎固めとして、エンドサイトーシスにおける膜動輸送の分子機構を高磁場勾配分離によって研究した。 1)径約5nmのフェライトの表面をオレイン酸、さらにリン脂質とアシアロ糖脂質によってコートし、磁気化リガンドを調製した。このリガンドは、長時間安定に分散し、灌流法によってラット肝細胞に導入することが出来た。また組織化学的なマーカーとして、リン脂質と結合させたペルオキシダーゼ等の酵素も結合させることができ、それを組織におけるリガンドの検出に用いた。リガンドは肝実質細胞に到達したが、一部は非実細胞にも取り込まれた。 2)ガラスカラムにメッシュ状に加工した磁性ステンレス細線を充填し、それを電磁石中に設置し高磁場勾配分離装置として用いた。まず、磁化リガンドのみの分離を行い、十分な高磁場下(1.8T)で高い分離を非常に早い流速で行うことができることを明らかにした。ついで、リガンドを取り込んだ肝臓のホモジネートをこの分離カラムに通し、リガンドを取り込んだエンドソームをカラム内に捕捉した。カラムを洗浄後、磁場をOFFにし、エンドソームを回収した。この様なカラムを用いることによって、作業時間の短縮、実験操作の簡単化に成功し、不安定な膜構造体であるエンドソームの分離に多くの利点を発揮した。 3)本方法によって調製したエンドソームを分析しリガンドの細胞内輸送の途上で、小胞密度が変化し、それと共にリガンドと受容体を含むエンドソームからリガンドを含み受容体を欠くエンドソームへと構造変化を起こすことを明らかにし、これらに特徴的なタンパク脂質を同定することに成功した。
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