Project/Area Number |
63604562
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂東 尚周 京都大学, 化学研究所, 教授 (70027027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 幹夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70068138)
広井 善二 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (30192719)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | マグネタイト / 単結晶薄膜 / エピタキシャル成長 / 表面磁性 / メスバウアスペクトル / 低温成長 / 人工超格子 |
Research Abstract |
本研究の目的は2種類の酸化物を交互にエピタキシャル成長させた人工超格子を作り、界面での磁気的相互作用を利用した新しい磁性材料を得ることである。このために、出来るだけ完全性の高い単結晶薄膜を作製することはもちろん、基板との界面、薄膜表面状態を正確に知る必要がある。本年度は磁性酸化物としてFe_3O_4を取り上げ、界面、表面の状態をメスバウア効果の測定によって調べた。酸表を10^<-4>Torr程度真空蒸着の容器に導入しながら、鉄を蒸発し、200〜300度に加熱したサファイヤc面基板の上に析出させると(111)を基板面に平行にしたFe_3O_4単結晶が得られる。内部転換電子メスバウア効果は少量の^<57>Feでもスペクトルが得られるので、界面、表面の研究に最適である。この測定によって、1500〓の厚さの膜はバルクと同じVerwey転移をすることを認めた。次に表面と界面の磁性を研究するため、メスバウア核でない^<56>Feを用いて作製した(111)面単結晶膜の上にメスバウア核^<57>Feからなる数原子層のFe_3O_4を積層した試料と基板の上に数原子層の^<57>Fe_3O_4、次に^<56>Fe_3O_4を積層した1000〓程度の単結晶薄膜を作製した。表面はFe_3O_4のバルクと同じスペクトルであり、空気中でも表面数原子層は決して酸化されず、安定であることを示した。またサファイヤ基板との界面もFe_3O_4のスペクトルを示している。ただスペクトルは広がり、界面の結晶性は悪い。これは基板の格子常数との不一致が8%にもなるためと思われる。膜は柱状に成長した微細構造を示している。これに対し、不一致が小さいMgO(100)に成長させると(100)面成長したFe_3O_4単結晶膜が生成し、結晶性もよいので同様な手法で界面を検討している。一方互いに結晶構造が異なっているNiO/ZnO人工超格子を作った。ZnOが薄い場合はNiOと同じNacl構造になっている。 今後、Fe_3O_4/NiO系やYFeO_3/YMnO_3系の人工超格子の磁性について検討する予定である。
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